セッション情報 |
パネルディスカッション8(肝臓学会・消化器病学会合同)
高齢者・肝機能低下例に対するC型肝炎治療の適応と限界
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タイトル |
肝PD8-11:高齢者におけるPegIFN+RBV少量併用量法の有効性と安全性の検証
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演者 |
柴田 壮一郎(信州大・消化器内科) |
共同演者 |
松本 晶博(信州大・消化器内科), 田中 榮司(信州大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】これまでPeg-IFN+RBV少量併用療法が高いALT正常化率を有し副作用が少ないことから,高齢者や線維化進行例の治療に有用であることを報告してきた.今回,この少量併用療法の高齢者における有用性を検証するため,症例を蓄積し,高齢群と若年群に分け効果と安全性を比較検討した.【方法】Peg-IFN+RBV少量併用療法を受けた33例を65歳未満の若年群17例と65歳以上の高齢群16例に分けて{年齢中央値 58歳(50~63歳)vs. 70歳(65~79歳),男女比 7:10 vs. 2:14,肝硬変% 41% vs. 50%},ALT値,HBV DNA量,AFP値の変化および副作用について検討した.【結果】治療開始時のALT中央値は,若年群50(25~118)vs. 高齢群61(13-285)IU/L,終了時のALT正常化率(≦30 IU/L)は46% vs. 75%,終了24週後は36% vs. 36%,終了48週後は44% vs. 43%であり,経過を通じて両群間に有意差はなかった.治療開始時のHCV RNA中央値は若年群6.5(5.5-6.7) vs. 高齢群6.5(5.2-6.9)log IU/ml,終了時の陰性化率は67% vs. 40%,SVR率は24% vs. 25%であり,いずれも有意差はなかった.治療開始時のAFP中央値は 若年群9.7(1.4-71.3)vs. 高齢群7.3(1.6-51.2)ng/ml,終了時は 4.4 (2.2-7.3) vs. 2.7 (0.8-5.5)であり,終了時は開始時に比較して両群とも有意に低下していたが(P=0.005)群間では差はなかった.Peg-IFN減量は若年群35% vs. 高齢群13%,RBV減量は35% vs. 31%であった.中止例は若年群で皮疹による1例と高齢群で右視床微小出血,精神症状,倦怠感による3例が見られた.中止率,減量率は両群間で差はなかった.【考察】Peg-IFN+RBV少量併用療法は高いALT正常化率とAFP低下効果がみられ副作用は軽度であった.この効果と安全性は65歳以上でも65歳未満と同様に得られることから高齢者の治療に有用である可能性が示唆された. |
索引用語 |
高齢者, 少量併用 |