セッション情報 |
パネルディスカッション9(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)
Barrett食道腺癌の診断と治療
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タイトル |
内PD9-6:バレット食道表在癌の側方進展範囲診断における拡大内視鏡の意義
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演者 |
友利 彰寿(佐久総合病院・胃腸科) |
共同演者 |
小山 恒男(佐久総合病院・胃腸科), 高橋 亜紀子(佐久総合病院・胃腸科) |
抄録 |
バレット食道表在癌(BEA)は存在診断や側方進展範囲診断などが難しく,内視鏡診断学は未確立である.【目的】BEAの側方進展範囲診断における拡大内視鏡の有用性を検討すること.【方法】2000年11月から2012年12月までにESDを施行したBEA34例46病変を対象とした.内視鏡像(通常観察,拡大観察)と病理組織像との対比を行い,同時および異時多発の頻度,一括完全切除率,局所再発率,IIb随伴率および扁平上皮下進展率を検討した.なお,拡大観察に関しては2006年6月までは白色光,2006年7月以降はNBIで行った.対象の内訳は,男性30例,女性4例,年齢中央値66歳,背景粘膜SSBE30例,LSBE4例,腫瘍長径中央値13mm,観察期間中央値1051日,主肉眼型0-I:8病変,0-IIa:19病変,0-IIb:8病変,0-IIc:11病変,深達度SMM:6病変,LPM:3病変,DMM:30病変,SM1:3病変,SM2:4病変であった.【成績】<同時多発率>24%(8/34例).<異時多発率>3%(1/34例).この1例は半年毎に内視鏡検査を施行し,2年半後に異時多発病変を認めESDにて一括切除した.<一括完全切除率>91%(31/34例).不完全切除の原因は扁平上皮下進展による側方断端陽性2例と切り出し不良による断端陰性非証明1例であった.<局所再発率>2%(1/46病変).<IIb随伴率>主肉眼型がIIbの8病変を除いた36病変中18病変(50%)で随伴IIbを認め,その範囲は5mm(1~53mm)であった.随伴IIbの存在診断は,通常観察のみでは18病変中5病変のみであったが,拡大観察併用にて16病変で診断可能であった.<扁平上皮下進展率>41%(19/46病変).進展距離は3.9mm(1~9mm)で,扁平上皮部のSMT様の厚み,扁平上皮下の異常血管・腺様構造,扁平上皮部の小孔など84%(16/19病変)に認めた.【結論】BEAの側方進展範囲診断は,随伴IIb,扁平上皮下進展および同時多発病変を念頭におき,拡大観察による表面構造や血管の不整を観察と,厚みなどの通常観察像を考慮することが重要である.また,異時多発を見逃さぬよう,慎重なサーベイランスが必要である. |
索引用語 |
バレット食道腺癌, 拡大内視鏡 |