セッション情報 | パネルディスカッション9(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)Barrett食道腺癌の診断と治療 |
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タイトル | 内PD9-10:表在性Barrett食道癌・食道胃接合部腺癌におけるリンパ節転移危険因子 |
演者 | 山田 真善(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科) |
共同演者 | 小田 一郎(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 九嶋 亮治(国立がん研究センター中央病院・病理科) |
抄録 | 【目的】表在性Barrett食道癌・食道胃接合部腺癌におけるリンパ節転移に対する危険因子を明らかにすること. 【方法】1980年から2012年の間に外科的に切除が施行された83例(年齢66歳(30-85),M:F=69:14,M:SM=16:67)の切除検体でのリンパ節転移頻度,および1997年から2009年の間に内視鏡的に切除され,その後3年以上経過観察された56例(年齢69.5歳(37-88),M:F 48:8,M:SM=45:11)の臨床的リンパ節転移頻度を検討した.次に,年齢,性別,腫瘍型,局在,肉眼型,脈管侵襲,組織型,深達度についてリンパ節転移との関連を検討した.なお,食道胃接合部は,内視鏡所見による食道下部柵状血管の下端とし,判定困難な場合は胃の縦走ひだの口側終末部および病理所見を参考にした.Barrett食道癌は,Barrett食道に連続した腺癌,食道胃接合部腺癌は食道胃接合部の上下2cm以内に腫瘍の中心が存在する腺癌とした. 【成績】リンパ節転移は外科的切除例の17%(14/83),内視鏡的切除例の0%(0/56),計10%(14/139)に認められた.単変量解析では,臨床病理学的因子別のリンパ節転移割合は,脈管侵襲陽性(30%; 8/27)が陰性(5%; 6/112, P<0.01)に比較し,未分化型・混在型(24%; 8/34)が分化型(6%; 6/105, p<0.01)に比較し,深達度SM(15%; 12/78)がM(3%; 2/61, p=0.02)に比較し,非食道胃接合部のバレット食道癌(38%; 5/13)が食道胃接合部腺癌(7%; 9/126, p<0.01)に比較し有意に高かった.M,分化型,脈管侵襲陰性の食道胃接合部腺癌は50例で,全例においてリンパ節転移を認めなかった(95%CI, 0.0-8.52%).多変量解析では,非食道胃接合部のバレット食道癌が有意にリンパ節転移の危険因子であると算出された[Odds比(95%CI); 4.54 (1.04-19.74)]. 【結論】M,分化型,脈管侵襲陰性の食道胃接合部腺癌は,内視鏡的切除の絶対適応となりえる可能性が示唆された.一方で,非食道胃接合部のバレット食道癌は慎重な対応が必要であると考えられた. |
索引用語 | バレット食道癌, 食道・胃接合部癌 |