セッション情報 |
パネルディスカッション11(消化器外科学会・消化器病学会合同)
進行胃癌に対する集学的治療の標準化に向けて
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タイトル |
外PD11-1:新規胃癌術後補助化学療法多施設共同試験(JACCRO START-2):Stage III 治癒切除胃癌を対象としたS-1+Docetaxel併用療法とS-1単独療法のランダム化比較第3相試験
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演者 |
藤井 雅志(日本大・消化器外科) |
共同演者 |
小寺 泰弘(名古屋大・消化器外科), 吉田 和弘(岐阜大・腫瘍外科) |
抄録 |
わが国ではACTS-GCの結果より,StageII,IIIの胃癌患者に対して,S-1を1年間投与することが標準治療となった.しかしながらStageIIIの成績は改善の余地があることが課題とされている.進行再発胃癌の標準治療であるS-1+CDDP療法を補助化学療法に組み入れるにはfeasibilityならびに入院加療を要する点で実現性が困難であるとされ,CDDPに代わると予想されるoxaliplatinの胃癌への認可,補助化学療法への適応はまだ未定である.一方,入院加療を要さないS-1+Docetaxel併用療法は,START trial の結果から,血液毒性は強いものの,進行再発胃癌において,無増悪生存期間や奏効率のみならず,non-measurable lesionを有する症例に対してS-1単独療法より優れている可能性が示唆されている.さらに,胃癌術後補助化学療法のfeasibilityに関する検討も複数のグループから報告が行われた.そこでStageIII症例に対して,S-1+Docetaxel併用療法の術後補助化学療法としての有用性について検証する第3相臨床試験を計画した.主要評価項目は3年無再発生存期間で,副次評価項目は3年,5年全生存期間,5年無再発生存期間,治療成功期間,有害事象の発生割合である.目標症例数は1100例とした.S-1+Docetaxel併用療法は1コース目をS-1のみを2週間投与し1週間休薬することとした.2コース目からはDocetaxel 40mg/m 2 をDay1に投与,S-1(80 mg/m 2)を2週間投与1週間休薬とするコースを6コース(18週間),その後はS-1単独で術後1年間継続することとした.本報告では,進行胃癌の標準治療確立を目指して行われてきたこれまでの臨床研究の背景と本治療の現状と展望を報告する. |
索引用語 |
胃癌, 補助化学療法 |