| セッション情報 | パネルディスカッション11(消化器外科学会・消化器病学会合同)進行胃癌に対する集学的治療の標準化に向けて |
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| タイトル | 消PD11-7：進行胃癌に対するDocetaxel+CDDP+S-1(DCS)療法による集学的治療戦略 |
| 演者 | 大沼 啓之（札幌医大・４内科） |
| 共同演者 | 佐藤 康史（札幌医大・４内科）, 加藤 淳二（札幌医大・４内科） |
| 抄録 | 【目的】近年，切除不能大腸癌においてconversion therapyの有効性が報告されているが，胃癌におけるconversionの意義は明らかではない．これまで我々は切除不能進行胃癌に対する一次治療としてDocetaxel+CDDP+S-1(DCS)併用療法を行い，conversionを達成し手術(adjuvant surgery)を施行後に長期生存が得られた症例を多数経験した．そこで今回，DCS療法を施行した症例の背景・治療成績を解析し，切除不能胃癌のconversion therapyの可能性と至適集学的治療戦略について検討した． 【対象】2002年12月から2013年2月まで当科でDCS療法を施行した切除不能StageIV胃癌91例．化療後に非切除因子が退縮し，外科と協議のうえ根治切除が可能と判断された時点で最終化療4-8週後に手術を行った． 【成績】91例の背景は，年齢中央値63歳，PS 0/1/2：46/23/22．肝/腹膜/骨/卵巣/肺/M1LN転移：27/29/5/4/5/54例. DCS療法は中央値4コースが施行され奏効率は80.2%であった．conversionが得られ手術を施行したのは27例(29.7%)で，1次療法後の手術例が22例，2次治療以降は5例であった．多変量解析ではPS1以下であること，非切除因子が1つのみであることが有意に切除に関与する因子であった．組織学的奏効(Grade1b≦)は20例(74.1%)で得られ，24例(88.9%)でR0切除が達成された．病理学的に21例(77.8%)でdown stageが確認された．術後合併症は6例にみられ膵液瘻，腹腔内膿瘍が主であったが重篤なものはなかった．22例で補助化学療法が施行(S-1単剤16例)され，投与期間中央値は8ヶ月で認容性は十分と考えられた．切除例の3年生存率は71.1%，MST 53.6Mと非切除例の16.5%，MST 15.8Mと比し有意(HR 0.27, 95%CI 0.1511-0.4579, p＜0.0001)に予後が良好であり，全症例の多変量解析ではadjuvant surgeryの有無とPSが最も強力な予後因子であった． 【結語】切除不能胃癌においても強力な化学療法によるconversionの達成とadjuvant surgeryにより長期生存と治癒を目指せる可能性が示された． |
| 索引用語 | 胃癌, 化学療法 |