セッション情報 | パネルディスカッション12(消化器内視鏡学会)内視鏡的乳頭切除術を巡る諸問題 |
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タイトル | 内PD12-1:長期成績からみた十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡的乳頭切除術の問題点 |
演者 | 金 俊文(手稲渓仁会病院・消化器病センター) |
共同演者 | 真口 宏介(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院・消化器病センター) |
抄録 | 【目的】十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡的乳頭切除術(EP)の長期成績を検討し,EPに際して注意すべき点を明らかにする. 【対象】2013年2月までに当センターにおいて適応基準を満たしEPを施行した36例(全乳頭部腫瘍129例中28%,切除乳頭部腫瘍94例中38%)を対象とした.年齢中央値は65(39-80)歳,男女比は24 : 12,観察期間中央値は30(0-144)ヶ月.なお,当センターにおけるEPの適応基準は露出腫瘤型の腺腫あるいは腺腫内癌で胆管・膵管内進展陰性例としており,切除後には胆管口・膵管口狭窄予防としてEBS(7Fr.),EPS(5Fr.)の留置を原則としている. 【検討項目】1.EPの治療成績,2.後期偶発症(EP後30日以降),3.腫瘍再発 【結果】1.一括切除 29(81%),分割切除 7(19%)であった.病理学的切除断端は,陰性 15(42%),陽性 8(22%,垂直断端陽性 4,水平断端陽性 5),不明 13(36%)であった.2.後期偶発症は8例(22%)に認め,内訳は瘢痕による開口部狭窄 5(胆管口 2(EBS非留置 1),膵管口 3(EPS非留置 1)),主膵管狭窄 4(頭部 1,頭体移行部 3(EP後に留置したEPSの先端部))であった.胆管口狭窄では全例にEBS留置,膵管口狭窄ではEPS留置 2,EPST+EPS留置 1,を施行した.主膵管狭窄では2例でEPSを留置できず,2例でEPSを留置し得たが抜去後に再狭窄を繰り返した.3.再発は4例(11%)に認め,再発までの期間は中央値で12(9-45)ヶ月,切除別の内訳は一括切除 1(3%),分割切除 3(43%)であった.再発部位は辺縁部 1(断端陽性),胆管口付近 3(断端不明)であった.再発後治療として外科治療 1(PD),EP 3を施行したが,うちEPの2例で再々発を認め,最終的に外科治療(PD,外科的乳頭切除術)を施行した. 【結論】EP後の後期偶発症を22%に認めた.主膵管狭窄は難治性であり,EP後のEPS留置の際には先端位置に留意する必要がある.腫瘍再発率は11%であり,分割切除・断端非陰性例に多く,再発予防には一括完全切除が重要である.再発後治療としてのEPの適応は今後も検討を要する. |
索引用語 | 内視鏡的乳頭切除術, 長期成績 |