セッション情報 |
パネルディスカッション12(消化器内視鏡学会)
内視鏡的乳頭切除術を巡る諸問題
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タイトル |
内PD12-7:膵炎予防を目的とした膵管ガイドワイヤー留置下内視鏡的乳頭切除術の検討
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演者 |
田場 久美子(昭和大横浜市北部病院・消化器センター) |
共同演者 |
良沢 昭銘(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター) |
抄録 |
【目的】内視鏡的乳頭切除術(Endoscopic papillectomy:EP)施行後の膵炎を予防する目的で膵管ステントを留置する方針としている.2005年8月以降,より確実な留置を目指した膵管ガイドワイヤー留置下EPを試みており,その有用性を検討する.【対象】1995年11月から2013年3月までにEPを行った,39例40件(男24,女14,65.4±9.4歳)を対象とした.【方法】膵管ガイドワイヤー留置下EPでは,絶縁加工された0.018インチのガイドワイヤーを膵管へ留置し,ガイドワイヤーにスネアを被せ病変を絞扼して切除した.スネア抜去後,ガイドワイヤーを目印に再度膵管挿管し2本目のガイドワイヤーを挿入し,膵管ステントを留置した.その後に切除組織とともに1本目のガイドワイヤーを抜去した.検討項目:1.膵管ステント留置群と非留置群の高アミラーゼ血症率と膵炎率.2.膵管ガイドワイヤー留置下EP導入前と導入後のステント留置成功率と膵炎率.3.膵管ガイドワイヤー留置下EP成功率と膵炎率を比較した.【結果】1.膵管ステント留置32件中,高アミラーゼ血症は13件(40.6%),膵炎は2件(6.3%)に対し,非留置8件中,高アミラーゼ血症は3件(37.5%),膵炎は2件(25%)であった.有意差はないが,ステント留置によって膵炎発症を抑える可能性が示唆された.2.膵管ガイドワイヤー留置下EP導入前の16件中,膵管ステント留置を14件に試み,11件(78.6%)で留置に成功した.導入後24件中,膵管癒合不全の1件を除き23件に留置を試み,21件(91.3%)で留置に成功した.有意差はないが成功率が向上した.膵炎は導入前16件中2件(12.5%)(うち重症膵炎1件),導入後24件中2件(8.3%)であった.3.膵管ガイドワイヤー留置下EPを試みた23件中18件(78.3%)で成功した.18件全例ステント留置に成功し,膵炎は1例(5.6%)であった.【結論】膵管ガイドワイヤー留置下EPは,確実な膵管ステント留置を可能とし,EP後膵炎予防に有用である. |
索引用語 |
内視鏡的乳頭切除術, 膵管ステント |