セッション情報 パネルディスカッション13(消化器外科学会・消化器病学会・肝臓学会合同)

進行肝癌に対する集学的治療の標準化に向けて

タイトル 外PD13-2指:

局所進行肝癌に対するPIHPを基軸とした外科的治療戦略;どこまで治療可能か?

演者 福本 巧(神戸大大学院・肝胆膵外科学)
共同演者 木戸 正浩(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 具 英成(神戸大大学院・肝胆膵外科学)
抄録 (目的)我々はSorafenibしか適応とならない両葉多発や脈管侵襲を伴う局所進行肝癌に対して減量肝切除と経皮的肝灌流(PIHP)による2段階治療を実施し,良好な成績を報告してきた.しかし,深部門脈腫瘍栓(PVTT)合併例や主肝静脈や下大静脈を巻き込んだような減量肝切除困難例は2段階治療が困難であった.このような困難例に対してBack Flow Thrombectomy(BFT)法や術前PIHPにより治療限界の拡大を可能としているのでそれらの成績を報告する. (対象と方法) 2011年12月までに90人が2段階治療(うち31人がVP4を合併)に,また9人が術前PIHP+2段階治療にエントリーされた.(結果)減量肝切除の内訳は拡大右葉切除9例,右葉切除39例,拡大左葉切除10例,左葉切除10例,中央2区域切除1例,その他21例であった.Vp4 PVTT摘出法として左右の門脈1次分枝の15例では通常のPeeling off法を,対側2次分枝以深11例を含む16例ではBFT法を用いた.Peeling off法の5例(摘出部2例,末梢門脈3例),BFT法の1例(末梢門脈)にPVTTの再発を認めた.2段階治療90例中9例;10% (VP4合併31例では5例;16%)が術後適応基準逸脱や癌の急速進展のため脱落し,81例に第2治療としてPIHPが施行された.2段階治療完遂81例の奏功率は70%(CR22例, PR35例).1/3/5生率は90例全体で73%/29%/22%,MST20ヵ月,完遂81例で76%/32%/24%,MST23ヶ月であった.Vp4合併31例の1/3/5生率は全体および完遂26例で65%/19%/13%,MST17ヶ月および69%/23%/15%,MST17ヶ月であった.術前PIHP+2段階治療にエントリーされた9例全例で切除を完遂し,PIHPを第3治療として追加し2例でCRが得られた.術前PIHP+2段階治療の1生率は52.6% MST12ヵ月であった.(考察) 深部PVTTや減量肝切除困難例でもBFT法や術前PIHPを施行することで高率に2段階治療が可能となった.肝外転移のない肝機能良好な進行肝癌では超進行例でも安易にSorafenibなどの姑息治療に逃げ込むのではなく,肝機能が許容すれば2段階治療を中心とした外科集学的治療の可能性を第一に追求すべきである.
索引用語 進行肝癌, PIHP