セッション情報 パネルディスカッション13(消化器外科学会・消化器病学会・肝臓学会合同)

進行肝癌に対する集学的治療の標準化に向けて

タイトル 消PD13-8:

動注化学療法の標準化に向けて

演者 小尾 俊太郎(杏雲堂病院・消化器肝臓内科)
共同演者 佐藤 新平(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 河井 敏宏(杏雲堂病院・消化器肝臓内科)
抄録 【はじめに】肝細胞癌は転移性肝癌と比較して,1. hyper vascular である 2. 他臓器転移が少ない 3. 門脈浸潤を来しやすい などの特徴があり,動注化学療法の特性と合致していたため切除不能進行肝細胞癌の治療手段の一つとして発展してきた.しかし治療方法が標準化されていないこと,Evidence levelが低いなど問題点も多い.一方Sorafenibは,標準化されEvidence levelも高い.【目的】動注化学療法とSorafenibの治療成績を検討して使い分けを明らかにする.【方法】2000年から2012年までに当科で動注化学療法を施行した切除不能進行肝細胞癌931例 (IFN+5FU 861例, Low dose FP 70例)を対象とした.それぞれクール毎に治療評価を行いPD以外は2-3クールの治療を継続した.また2009年からSorafenibで治療した78例を対象とした.各種臨床的パラメーターを用いて,予後予測因子,効果予測因子を解析した.【結果】IFN+5FU動注化学療法 (n=861) 全体のMSTは6.7か月であった.CR87例,PR 190例,SD224例,PD360例であった.予後規定因子は腹水,遠隔転移であった.効果予測因子は腹水,血小板数,HCV+,Vp+であった.Low dose FP動注化学療法(n=70例)全体のMSTは6.9か月であった.CR3例,PR17例,SD27例,PD23例であった.予後規定因子はPIVKA-II であった.効果予測因子は統計学的有意差まで至らなかったが,HBV+に効果予測傾向を認めた.Sorafenib (n=78)のMSTは7か月であった.PR3例,SD22例,PD46例,判定不能7例であった.予後予測因子はAFP-L3,効果予測因子はT.Bil,Size,AFP-L3であった.【結論】血小板数の少ないC型肝癌,特に門脈腫瘍塞栓を伴う症例では,IFN+5FUが有効と思われる.また血小板数が保たれている症例やB型肝癌ではLow-dose FPが有効と思われる.肝機能良好な遠隔転移がある症例はSorafenibと思われる.今後動注化学療法存続のためには,治療の標準化とEvidenceの構築が急務である.
索引用語 肝細胞癌, 動注化学療法