セッション情報 パネルディスカッション15(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

進行膵癌に対する集学的治療の標準化に向けて

タイトル 外PD15-7指:

化学放射線療法は,切除不能の局所進行膵癌の予後を改善するのか?

演者 井岡 達也(大阪府立成人病センター・検診部)
共同演者 片山 和宏(大阪府立成人病センター・検診部DELIMITER大阪府立成人病センター・肝胆膵内科), 手島 昭樹(大阪府立成人病センター・放射線治療科)
抄録 【はじめに】膵癌のキードラッグであるゲムシタビンおよびS-1(以下,GS療法)を同時に併用して化学放射線療法をおこなったので報告する.【方法】対象は,局所進行膵臓癌のうち,主要動脈浸潤などにより切除不能と診断された症例.放射線照射(以下RT)は,連続28日間,1日1回1.8グレイ(計50.4グレイ)を照射した.PTVはGTV+10-15mm,予防照射は行わないこととした.先行したI相試験の結果,ゲムシタビン600mg/m2(D1,D8)およびS-1 60mg/m2(d1-D14),以上の推奨容量を併用した化学放射線療法群と,ゲムシタビン1000mg/m2(D1,D8)およびS-1 65mg/m2(d1-D14),以上を反復する化学療法群に無作為に割り付けて治療を行った.本試験の主評価項目は,2年生存率である.【結果】2009年4月から2012年12月までに,全国10施設から合計110例が登録された.2013年4月現在のイベント数は,69イベントである.【まとめ】GS療法を併用した化学放射線療法の第II相試験をおこない,予定の症例数を登録できた.切除不能の局所進行膵癌について,局所療法である化学放射線療法の意義を討議したい.
索引用語 化学放射線療法, 膵癌