セッション情報 パネルディスカッション16(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

進行胆道癌に対する集学的治療の標準化に向けて

タイトル 外PD16-1:

肝外胆管癌に対する,gemcitabineを用いた術後補助化学療法に関する検討

演者 本山 博章(信州大・消化器外科)
共同演者 小林 聡(信州大・消化器外科), 宮川 眞一(信州大・消化器外科)
抄録 【背景】
胆道癌に対する術後補助化学療法の有用性は確立していない.肝外胆管癌切除症例に対するgemcitabine (GEM) を用いた補助化学療法の効果をretrospectiveに検討した.
【対象と方法】
当科で施行した肝外胆管癌肉眼的治癒切除症例114症例(1990年4月~2012年11月)からStageII以上の70症例を対象とし,GEMによる術後補助化学療法の予後への効果を検討した.GEMは1回1000mg/m2,3週投与1週休薬を1コースとし計6コースで完遂とした.有効性は再発率,DFS,及び累積生存率で評価し,Cox比例ハザードモデルでの予後因子解析を併施した.
【結果】
症例群の背景は年齢中央値 70歳(34~81歳),男女比 58/12例,主占拠部位 Bi:Bm:Bs 36:33:1例,fStage II:III:IVa:IVb 28:23:16:3例,fCur A:B:C 23/31/16例であった.このうちGEMによる術後補助化学療法を施行された症例は22例であった.術後再発率はGEM群54.6%,非施行群70.8%であり有意差を認めず(p=0.183),無再発生存期間中央値もそれぞれ18.0ヶ月,16.9ヶ月で有意差を認めなかった(p=0.975).
他方,GEM群での累積生存率は3年で72.1%であり,非施行群の40.2%に比し有意に良好であった(p=0.032).また補助化学療法非施行(OR 2.607,95%CI 1.167-6.943,p=0.018)は,リンパ節転移陽性(OR 1.945,95%CI 1.045-3.608,p=0.036)とともに独立予後規定因子となった.GEM群では,再発後治療としてGEMに加え他抗癌剤の投与割合が有意に高く(80.0% vs. 9.1%,p<0.001),生存期間延長に寄与していると考えられた.
【結語】
GEMを用いた補助療法による肝外胆管癌術後再発抑止効果は証明できなかったが,再発後のGEMを含めた複数の抗癌剤投与が生存期間延長に寄与している可能性が示唆された.
索引用語 肝外胆管癌, 補助化学療法