セッション情報 |
パネルディスカッション16(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
進行胆道癌に対する集学的治療の標準化に向けて
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タイトル |
消PD16-5:進行胆道癌に対するGEM+CDDP併用療法とGEM+S-1併用療法の比較
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演者 |
佐々木 隆(東京大・消化器内科) |
共同演者 |
伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】進行胆道癌に対してGEM+CDDP併用療法(GC)が標準治療と考えられているが,わが国ではGEM+S-1併用療法(GS)でも良好な成績が示されている.現在この2つの治療について前向き試験が計画されているが,これまでこの2つの治療を比較した報告はない.【方法】当院およびその関連施設において,進行胆道癌に対してGCを施行した41例とGSを施行した125例について,retrospectiveに比較検討した.【結果】患者背景では,GCでやや年齢が高い以外には,性別・Performance status・胆道部位・病期と両群間に差は認められなかった(年齢中央値GC:GS=73:68, p=0.05).奏功率は,GC:GS=7%:28%と有意にGS群で腫瘍縮小効果が高かった(p=0.005).Median time-to-progressionは,GC:GS=7.6ヵ月:5.7ヵ月(p=0.40)であった.Median overall survivalは,GC:GS=9.7ヵ月:12.4ヵ月(p=0.15)であった.なおGSにおける奏功率については,局所進行:遠隔転移:術後再発=29%:25%:43%と術後再発例で特に高く,完全奏功例を3例認めている(経過観察期間22.7ヵ月,67.6ヵ月,72.9ヵ月).【結論】GEM+CDDP併用療法とGEM+S-1併用療法の比較において,time-to-progressionおよびoverall survivalには有意差を認めなかった.腫瘍縮小効果については,GEM+S-1併用療法で有意に良好であり,特に術後再発例に対して有効である可能性が示唆された. |
索引用語 |
胆道癌, 化学療法 |