セッション情報 パネルディスカッション16(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

進行胆道癌に対する集学的治療の標準化に向けて

タイトル 消PD16-6:

切除不能進行胆道癌に対するgemcitabine(GEM)+S-1隔日投与併用療法第I/II相試験

演者 中村 和貴(千葉県がんセンター・消化器内科)
共同演者 山口 武人(千葉県がんセンター・消化器内科), 須藤 研太郎(千葉県がんセンター・消化器内科)
抄録 【背景】切除不能胆道癌に対しGEM+S-1併用療法(GS療法)が試みられ,その有効性も報告されている.しかし,有害事象により休薬・減量を必要とすることが多い.GS療法の高い効果を得るためにはS-1および,GEMのDose Intensityを上げることが必要と考える.そこで併用するS-1を隔日投与として副作用を軽減することを検討した.【目的】切除不能胆道癌患者を対象に,GEMとS-1隔日投与併用療法の安全性について検討し,推奨用量を決定するため,第I相試験をおこない,引き続き第II相試験を行った.【方法】第I相試験において,S-1は80mg/m2にて週4日内服(隔日に曜日を固定)にて固定し,GEM 800mg/m2/weekにて2週投与1週休薬をレベル1,GEM 1000mg /m2/weekにて2週投与1週休薬をレベル2,GEM 1000mg/m2/weekにて3週投与1週休薬をレベル3とした.1コ-ス目における用量制限毒性(dose limiting toxicity : DLT)の発現状況から推奨用量を決定した.第II相試験においては決定した推奨用量にて30例を登録予定とした.【結果】第I相試験において,レベル1にて3例,レベル2にて6例,レベル3にて6例が登録となり,DLTは認めなかった.疾患の内訳は肝内胆管癌 6例,胆のう癌 9例であった.重篤な有害事象は認めず.推奨用量はレベル3と決定した.第II相試験は現在15例が登録されており,評価ができた11例において抗腫瘍効果はPR 2例,SD 6例,PD 3例であった.またこれまでのGS療法におけるGEMのdose intensityに比較して隔日投与法のdose intensityは高い傾向にあった.【結語】GEMとS-1隔日投与併用療法の第I相試験を行い,推奨用量を決定した.引き続き,第II相試験が進行中である.
索引用語 GEM, S-1