セッション情報 |
ワークショップ6(消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
胆道疾患の診断・治療に有用な画像診断-内視鏡診断から三次元画像診断
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タイトル |
内W6-5:鑑別困難な胆道病変に対する経口胆道鏡の有用性
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演者 |
西川 貴雄(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学) |
共同演者 |
露口 利夫(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 横須賀 收(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学) |
抄録 |
【目的】胆道病変の良悪性診断は,不必要な外科手術を避けるなど,治療計画に重要である.当科では,治療例も含め多くの症例に経口胆道鏡を行っており,ビデオスコープによる経口胆道鏡(親子式)を用いた胆道病変の良悪性診断についても報告している(Gastrointest Endosc. 2013; 77: 219-26.).今回,その追加成績を報告する.【方法】対象は,CTやMRIなどの画像診断で良悪性の鑑別が困難な胆道病変の症例.先行するERCの際に得られた検体により,悪性と診断された症例は除外した.胆道鏡所見に関して,(1) 不整に拡張し蛇行する血管(腫瘍血管),(2) 易出血性,(3) 粘膜不整を悪性所見とし,(a) 血管増生を伴わない平滑な粘膜,(b) 原発となる腫瘤を伴わない背丈の低い整な顆粒状粘膜を良性所見とした.経口胆道鏡による観察の際に,全例で胆道鏡下生検を行った.【成績】症例は,2010年12月から2012年12月までの41例(男性29例,女性12例).平均年齢は,68.6歳.最終診断は,悪性胆道病変の25例中24例が外科切除標本により診断され,1例が胆道鏡下の生検標本より診断された.16例の良性胆道病変のうち,8例が外科的切除を施行され,8例は1年以上の経過観察において良性と診断された.悪性胆道病変はすべて胆管癌であり,良性胆道病変は,結石による炎症性変化が10例,胆摘後や慢性胆嚢炎による炎症性狭窄が4例,原発性硬化性胆管炎が1例,IgG4関連硬化性胆管炎が1例であった.経口胆道鏡による合併症は,軽症胆管炎を2例(4.9%)に認めた.胆道鏡所見による良悪性診断は,感度100%,特異度93.8%,精度97.6%であった.胆道鏡下生検ではそれぞれ,44.0%,100%,65.9%であった.胆道鏡所見による良悪性診断の精度は,胆道鏡下生検のそれよりも有意差をもって高かった(P=0.0019) .【結論】経口胆道鏡は,鑑別困難な胆道病変の診断に有用である.胆道鏡下生検の精度は不十分であるが,その特異度は優れている. |
索引用語 |
胆道疾患, 胆道鏡 |