セッション情報 |
ワークショップ6(消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
胆道疾患の診断・治療に有用な画像診断-内視鏡診断から三次元画像診断
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タイトル |
消W6-11:胆道悪性疾患に対する3-Dシミュレーションの有用性
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演者 |
近藤 祐一(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)) |
共同演者 |
飯室 勇二(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 藤元 治朗(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)) |
抄録 |
【目的および背景】我々はこれまでに,肝循環に基づいた肝切除シミュレーション(以下SML)を約750症例に実施し,3D画像支援による術前手術SMLの有用性を報告してきた.胆道悪性疾患に対しR0根治術を目指した水平・垂直進展の厳密な評価にはSMLのみでは不十分であり,他のモダリティとも併用する必要があるが,複雑な解剖を有する胆道領域の解剖構築を3次元視覚化し,術前に切除SMLを行うことは安全確実な手術を行うために今や必須の手順の一つであり,当科での経験を報告する.【対象および方法】2001年以降の胆道悪性疾患手術症例中,日立メディコ社の肝切SMLソフト(OVA)を用いて,術前SMLを施行した107例(胆管癌60例(近位36例,遠位24例),胆嚢癌27例,胆嚢管癌3例,乳頭部癌17例).胆道系の抽出はFOV(field of view)を統一したMDCTまたはDIC-CTから行い,肝門部胆管癌症例では胆管の狭窄と腫瘍・周囲脈管との立体的位置関係の評価から胆管切離ラインを予測した.症例に応じて肝・膵実質及び脈管胆管との3-D統合画像を作成し,肝切除症例については残肝体積算出を含め術前SMLを行った.【結果】1.肝切除65例(胆道再建症例48例含む).術式はHPD2例,3区域切除10例,(拡大)葉切除38例,(亜)区域切除10例,部分切除5例.術前PVEは19例に施行し,非塞栓葉は平均25.6%(62.7ml) 増加した.2.膵頭十二指腸切除(全胃温存含む)を42例に施行.23.8%の症例に肝動脈走行変異を認め,そのうち右肝動脈が上腸間膜動脈より分岐する症例が60%を占めた.【考察】MDCT拡張胆管から抽出した胆管3D像は脈管との位置のずれがなく正確なシミュレーションが可能となるため,減黄チューブ留置前にCT撮影を行うことが重要である.膵切除の場合,脈管走行変異の評価のみならず周囲臓器及び腫瘍との位置関係を綿密にSMLすることが可能となった.【結語】正確な3-D fusion画像を基にしたvirtual operationは,胆道悪性疾患に対する手術プランニングに極めて有用である. |
索引用語 |
シミュレーション, 胆道疾患 |