セッション情報 |
ワークショップ6(消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
胆道疾患の診断・治療に有用な画像診断-内視鏡診断から三次元画像診断
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タイトル |
内W6-12:当院における肝門部領域癌の術前診断の検討
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演者 |
南 竜城(京都大・消化器内科) |
共同演者 |
栗田 亮(京都大・消化器内科), 児玉 裕三(京都大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】当院では肝門部領域癌の術前診断には,通常のMDCT,MRI,ERCPに加え,ENBDより胆管内にCO2を注入してMDCTを撮影することにより胆管,門脈,肝動脈の3D画像を構築している(CO2 cholangiography).今回,これらの術前診断法について考察する.【対象】2010 年4月から2013 年2月までに外科切除を施行した肝門部領域癌26例(肝門・上部胆管癌12,肝内胆管癌10,胆嚢管癌3,広範囲胆管癌1)を対象とし,1)胆管分岐形態,2)残肝予定領域へのENBD留置成功率,3)経乳頭的 IDUSによる右肝動脈浸潤判定の成績,4)生検診断成績,5)CO2 cholangiographyの有用性と偶発症,6)術前水平方向の術前診断能について検討した.【結果】1)後区域枝が北回りは19例(BismuthII3,IIIa5,IIIb1,IV10),南回りは7例(BismuthIIIa2,IV5)であった.2) 残肝予定領域へのENBD留置は26例全てで可能であった.3)経乳頭的IDUSは21例で施行されており,右肝動脈浸潤診断の精度は71.4%(15/21)であった.判断を誤った6例は全て偽陽性であったが,いずれも癌の進展が動脈近傍まで及んでおり合併切除が必要であった.4)経乳頭的に胆管生検を施行したのは19例であり,癌陽性率は,肝門部胆管癌80%(8/10),肝内胆管癌80%(4/5),胆嚢管癌100%(3/3),広範囲胆管癌100%(1/1)であった.5)CO2 cholangiographyは21例で行っており,残肝の二次分枝まで明瞭に描出できていた症例は85.7%(18/21)であった.術後偶発症は一過性の胆管炎1例であった.6)断端陽性率は11.5%(3/26)であり,その内訳は十二指腸側1例,肝側2例であった.【結語】肝門部領域癌における術前診断法としては一期的にIDUS,生検,ENBDが施行可能であり,後に直接胆道造影ができる点から経乳頭的アプローチが有用である.また,ENBDを利用したCO2 cholangiographyは術前シミュレーションを行う際の一助となりえる. |
索引用語 |
肝門部領域癌, 術前診断 |