セッション情報 | ワークショップ8(肝臓学会・消化器病学会合同)ASH/NASH肝癌の臨床像とフォローアップ体制の確立 |
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タイトル | 肝W8-14:非アルコール/アルコール起因脂肪性肝疾患の肝発癌に与えるインパクト |
演者 | 川村 祐介(虎の門病院・肝臓センター) |
共同演者 | 荒瀬 康司(虎の門病院・肝臓センターDELIMITER虎の門病院・健康管理センター), 熊田 博光(虎の門病院・肝臓センター) |
抄録 | 【目的】 近年増加傾向であり, 非B非C肝細胞癌(NBNC-HCC)の背景疾患として重要な位置を占めるようになった脂肪性肝疾患の今後のNBNC-HCCの発生に与える影響及び肝発癌危険因子につき, 非アルコール性/アルコール性別に検討を行った. 【対象と方法】 検討; 1997年1月より,2012年4月までに当院肝臓センター及び,健康管理センターにて腹部USにて脂肪肝と診断された, 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) 6621例及び,アルコール性脂肪性肝疾患(AFLD) 946例を対象に脂肪性肝疾患の肝発癌に与える影響及び,発癌リスクファクターにつきRetrospectiveに検討. 本検討ではエタノール摂取量≧70g/日をAFLDと定義. NAFLD,AFLD両治療間での背景の比較:男性の比率は87%,97%,高血圧症合併率13:28%,糖尿病合併率8.2:8.9% 以下中央値で示すが,年齢49:48歳,Body mass index (BMI)24.8:25.1kg/m2,アルブミン4.2:4.2g/dl,総ビリルビン0.8:0.9mg/dl,AST26:28IU/L,ALT31:32IU/L,rGTP53:82IU/L,LDH146:148IU/L,尿酸6.3:6.6mg/dl,総コレステロール210:208mg/dl,中性脂肪138:153mg/dl,HDL46:48mg/dl,LDL130.6:124.4mg/dl. 両群間では, 糖尿病合併率, 総コレステロール, アルブミンを除き,有意差を認めた. 【成績】 1)累積肝発癌率 NAFLD/AFLDそれぞれの累積肝発癌率は4年 0.05:0.67%, 8年0.21:1.89%, 12年 0.63:2.6%であり,年率0.05:0.22%であった. 2)肝発癌リスク因子 肝発癌に寄与する独立因子につき,Cox比例ハザードモデルにて多変量解析を行った結果, NAFLDでは血小板数<15万 Hazard Ratio (HR) 9.35, AST≧40 IU/L HR 4.50, 糖尿病合併 HR 3.97 ,年齢≧60歳 (HR) 3.53の4因子が抽出された. 一方,AFLDでは血小板数<13万 HR 14.92, 年齢≧55歳 (HR) 5.66, 糖尿病合併 HR 4.48, rGTP≧100 IU/L HR 3.73, アルブミン<4.0g/dl HR 3.37の5因子が抽出された. 【結論】NAFLD, AFLDでは発癌ポテンシャル,発癌危険因子も一部異なり,フォローする上でも注意を要すると考えられた. |
索引用語 | 肝細胞癌, 脂肪性肝疾患 |