セッション情報 |
ワークショップ10(消化器内視鏡学会)
拡大・超拡大内視鏡による消化管疾患の診断
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タイトル |
内W10-10:大腸病変におけるendocytoscopyによる表面微細血管の検討
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演者 |
三澤 将史(昭和大横浜市北部病院・消化器センター) |
共同演者 |
工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 和田 祥城(昭和大横浜市北部病院・消化器センター) |
抄録 |
【背景】大腸病変において表層の微細血管所見は質的,量的診断に有用であることが報告されている.また一体型endocytoscopyは生体内で細胞異型の診断が可能である.【目的】Endocytoscopy(EC)を用いて観察された大腸病変の血管径および超拡大血管所見について検討を行った.【方法】対象は2010年4月から2012年12月までに観察後切除された病変周囲の正常粘膜を含めた179病変.内訳は正常粘膜10,過形成ポリープ4 病変,腺腫77病変,早期癌88病変 (M~SM微小浸潤癌(SMs)42病変,SM深部浸潤癌(SMm)46病変)である.血管径はECの取得画像範囲から病変の最大血管径を測定し病理診断と対比した.血管所見はECで観察される腫瘍表層の血管パターン(Endocytoscopic vascular pattern: EC-V)を3つに分類して検討した.血管が認識できない,もしくは細く整った血管が観察されるものをEC-V1, 血管が明瞭に観察され,口径が比較的均一に観察されるものをEC-V2, 明らかに拡張し口径不同も伴うものをEC-V3とした.【結果】EC-NBI観察下において,正常粘膜では平均9.5±1.4μmの細い血管が正常腺管開口部の周囲を走行していた.腺腫・M癌では口径が比較的均一な血管が腺管を取り囲むように走行しており,平均最大血管径は腺腫17.1±6.6μm,M癌 20.5±8.5μmであった.SMmでは血管の拡張,口径不同及び走行異常を認め,平均最大血管径は39.3±13.1μmで,他の腫瘍群に比べて最大血管径は有意に太かった(P<0.01).血管所見について,正常粘膜と過形成ポリープはすべてEC-V1であった(14/14).EC-V2は 95.0% (115/121) が腺腫,もしくはM~SMs癌であり,EC-V3の 93.0% (40/43) はSMm癌であった.【結語】ECによる表面血管構造の観察は組織深達度診断に有用であることが示唆された. |
索引用語 |
endocytoscopy, vascular pattern |