セッション情報 |
ワークショップ10(消化器内視鏡学会)
拡大・超拡大内視鏡による消化管疾患の診断
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タイトル |
内W10-11:大腸病変におけるNBI拡大診断の検討-Capillary pattern とpit patternの対比―
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演者 |
宮本 英明(国立がん研究センター東病院・内視鏡部) |
共同演者 |
池松 弘朗(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 金子 和弘(国立がん研究センター東病院・内視鏡部) |
抄録 |
【背景】大腸病変に対するNBI診断の有効性は質的診断では明らかになってきたが,深達度診断では未だcontroversialである.当院のNBI拡大診断はCapillary pattern (CP)を使用しており,その有用性については学会等で報告してきた.【目的】大腸病変に対するCPにおけるNBI診断の有用性をpit pattern診断と対比し検討した.【対象と方法】2005年10月から2009年3月の間に内視鏡的・外科的に切除された1600病変を対象とし,CPと病理組織学診断,pit patternとを比較検討した.【成績】病変はAdenoma: 1335病変,M・SM1: 194病変,SM2・3: 71病変であった.CPはtype I: 158病変,type II: 1332病変,type IIIA: 172病変,type IIIB: 69病変であった.病理組織診断との対比では,低度異型腺腫はtype II: 96%,中等度異型腺腫はtype II: 95%,type IIIA: 2%,高度異型腺腫はtype II: 82%,type IIIA: 15%,低異型度癌はtype II: 30%,type IIIA : 67%,type IIIB: 3%,高異型度癌はtype IIIA: 24%,type IIIB: 73%であった.質的診断は,CP,pit patternの正診率はそれぞれ96.8%,98.6%であった.深達度診断はCP の正診率,感度,特異度,陰性的中率(NPV),陽性的中率(PPV)はそれぞれ97.8%,73.2%,98.9%,98.8%,75.3%であった.pit patternはそれぞれ98.3%,77.5%,99.2%,99.0%,82.1%であった.【結論】今回の検討からCPは組織診断とある程度の相関関係があること,深達度診断においては良好な正診率であるが,pit pattern診断に比較して感度,PPVが低いことから,over surgeryを防ぐ意味において色素拡大内視鏡観察の追加が必要であることが示唆された. |
索引用語 |
NBI, 大腸病変 |