セッション情報 ワークショップ10(消化器内視鏡学会)

拡大・超拡大内視鏡による消化管疾患の診断

タイトル 内W10-13:

部位別に見たSSA/Pの内視鏡的特徴に関する検討

演者 平野 大樹(広島市立安佐市民病院・消化器内科)
共同演者 永田 信二(広島市立安佐市民病院・内視鏡内科), 金子 真弓(広島市立安佐市民病院・臨床検査部)
抄録 【はじめに】SSA/PはHPに類似しており,内視鏡的鑑別診断は容易でないことがある.【目的】SSA/Pの内視鏡的特徴を部位別に明らかにし,HPとの鑑別診断の可能性について検討する.【対象と方法】対象はNBI拡大観察とpit pattern観察を施行後,内視鏡的に切除された大腸鋸歯状病変のうち,2人の病理医が樋口らの分類または八尾分類を使用してSSA/PおよびHPと診断した175症例198病変(SSA/P 147病変,HP 51病変).検討項目は部位,大きさ,形態,粘液付着,VMV(varicose micro vascular vessel),pit pattern,NBI所見.Pit pattern分類は工藤・鶴田らに準じ,さらに山野らの開II型に細分類した.NBI分類は既報のごとく,a:微小血管が不可視,b:淡く茶色い間質,c:濃い間質,d:辺縁整な蛇行した血管を認める,e:2つ以上のパターンが混在に分類した.【結果】SSA/P 147病変中104例(86.7%)は右側に認め,有意に右側に多かった(p<0.01).右側においてSSA/PとHPの比較では開II型pit(SSA/P 36.5%,HP 6.3%,p<0.05),粘液付着(SSA/P 73.1%,HP 37.5%,p<0.01),大きさ10mm以上(SSA/P 53.9%,HP 25.0%,p<0.05), VMV(SSA/P 46.2%,HP 12.5 %,p<0.01),左側での同様の比較は開II型pit(SSA/P 20.9%,HP 5.7%,p<0.05,粘液付着(SSA/P 55.8%,HP 20%,p<0.01),大きさ10mm以上(SSA/P 41.8%,HP 17.1%,p<0.05),VMV(SSA/P 35.9%,HP 14.3%,p<0.05),NBI分類b type (SSA/P 46.5%,HP 22.9%,p<0.05,隆起型(SSA/P 62.8%,HP 40.0%,p<0.05)がHPと比べてSSA/Pに有意に多かった.多変量解析では右側で開II型pit(odds比6.3),大きさ10mm以上(odds比3.7), VMV(odds比5.9),左側では粘液付着(odds比3.8),大きさ10mm以上(odds比6.7)であった.【結論】SSA/Pに特徴的な内視鏡所見はHP と比較して開II型pit,粘液付着,大きさ10mm以上, VMV,隆起型であり,右側と左側で一致した所見は開II型pit,粘液付着,大きさ10mm以上, VMVであった.
索引用語 SSA/P, HP