セッション情報 |
ワークショップ11(消化器外科学会・消化器病学会・肝臓学会合同)
病態別に見た肝予備能評価の新展開
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タイトル |
外W11-6:病態別に評価した門脈塞栓術後の形態的,機能的容積変化の検討
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演者 |
阿保 貴章(長崎大大学院・腫瘍外科学) |
共同演者 |
七島 篤志(長崎大大学院・腫瘍外科学), 永安 武(長崎大大学院・腫瘍外科学) |
抄録 |
【緒言】現在,我々の施設では門脈塞栓術前後の効果判定として,3DCTを用いた形態的肝容積測定,肝アシアロシンチを用いた機能的肝容積測定を行っている.しかしながら,肝切除症例の背景肝の多くが慢性肝障害や腫瘍占拠による血行障害,胆汁鬱滞などの影響を受けており,門脈塞栓術の効果はそれらの病態の影響を受けると考えられる. 今回我々は,病態ごとの門脈塞栓術の効果を比較検討したので報告する.【対象】2001年1月より当科にて門脈塞栓術を施行し,肝アシアロシンチを用いて施行前後の分肝機能評価を行った症例36症例を対象とした.【方法】門脈塞栓施行後2-3週目に非塞栓領域の形態的肝容積および機能的肝容積の変化を測定し,正常肝,肝硬変および慢性肝炎,黄疸肝(減黄後)のグループに分けて評価を行った.【結果】症例は正常肝13例(36%),慢性肝炎および肝硬変10例(28%),黄疸肝13例(36%)であった.門脈塞栓術前後のICGR15値,LHL15値は全体の前後,および各群の前後にて有意な差を認めなかった.全症例において塞栓術前後の非塞栓肝の形態的容積の変化は+7.4%,機能的容積の変化は+14.8%であり有意に機能的容積の増加率が高かった.群別に増加率(%)の評価を行うと正常肝はMLV:FLV=5.57:16.4,肝硬変および慢性肝炎においては3.71:10.5,黄疸肝において11.5:16.9であり,各群において有意に機能的容積の増加率が高かった.各群の変化量を比較すると,肝硬変および慢性肝炎群において形態的容積,機能的容積の増加率が低い傾向にあったが有意な差ではなかった.【結語】門脈塞栓術後の肝容積増加率において,肝硬変および慢性肝炎群は増加率がほかの群に比して低い傾向を認めたものの,約10%の機能的容積変化の増加を認めており,機能障害を有する群においても塞栓術による効果が期待できると考えられた. |
索引用語 |
門脈塞栓術, 機能的肝容積 |