セッション情報 |
ワークショップ14(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)
胆道癌の胆管ドレナージの標準化-手術症例と非手術症例
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タイトル |
内W14-6:非切除悪性肝外胆管狭窄に対する内視鏡的胆管メタリックステント留置後のステント機能不全の危険因子
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演者 |
小川 貴央(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科) |
共同演者 |
伊藤 啓(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科), 藤田 直孝(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】非切除悪性肝外胆管狭窄に対する内視鏡的胆管メタリックステント(MS)留置後のstent dysfunction(SD) の危険因子を明らかにすること.【対象と方法】2005.4-2013.1に経乳頭的にMSを留置した非切除悪性胆道狭窄例のうち,肝門部狭窄例を除いた196例(平均年齢76歳,男性104例,女性92例)を対象とした.原疾患は膵癌116例,胆管癌49例,他臓器癌のリンパ節転移14例,胆嚢癌12例,乳頭部癌3例,悪性リンパ腫1例,大腸癌の膵転移1例であった.SDの定義はステント閉塞,ステント逸脱,非閉塞性胆管炎とした.SDの危険因子は,40日以上経過が追えた153例で,16因子(性,年齢,原疾患,ステントカバー,ステント径,ステント長,製品,胆管狭窄部位,胆管狭窄長,化学療法,ステント下端部位,EST,血清T.Bil値,腫瘍の十二指腸浸潤,MS留置時の胆管炎,MSの一期的または二期的留置)についてCox回帰分析を用いて検討した.【結果】留置したステントはUncovered MSが44例,Partially covered MSが92例,Fully covered MSが60例であった.減黄効果は96% (189/196)で良好であった.早期偶発症(3日以内)は,9%(18例:膵炎15,出血2,非閉塞性胆管炎1,胆嚢炎2)で,後期偶発症は38%(74例:ステント閉塞49,胆嚢炎12,非閉塞性胆管炎13,ステント逸脱10,肝膿瘍3,出血1)でみられた(重複あり).ステントの平均開存期間は589日(中央値324日),Time to dysfunctionは506日(中央値266日)であった.単変量解析によるSDの危険因子は男性(p = 0.038),ステント下端が胆管内(p = 0.045),およびMS留置時の胆管炎合併(p = 0.0006)であった.多変量解析ではMS留置時の胆管炎合併がSDの独立した危険因子であった(HR 2.1, 95%CI 1.2-3.6, p = 0.006).【結論】非切除悪性肝外胆管狭窄に対する内視鏡的胆管メタリックステント留置術の減黄効果は良好で一定の開存期間が得られるが,ステント留置時の胆管炎合併症例ではSDのリスクが高く,注意が必要である. |
索引用語 |
SEMS, 胆道ドレナージ |