セッション情報 |
ワークショップ14(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)
胆道癌の胆管ドレナージの標準化-手術症例と非手術症例
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タイトル |
消W14-7:切除不能悪性胆道狭窄に対するMS留置法の検討
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演者 |
齋 宏(広島赤十字・原爆病院・消化器科) |
共同演者 |
花ノ木 睦巳(広島赤十字・原爆病院・消化器科), 古川 善也(広島赤十字・原爆病院・消化器科) |
抄録 |
【目的】切除不能悪性胆道狭窄のQOL改善のために,ステント治療は必須であり,化学療法の進歩に伴い,より長期開存が望まれている.また,癌種ごとに進展様式や予後が異なり,各症例に適したステント及び留置法の選択が必要である.自験例をretrospectiveに検討し,長期開存できるMS留置法について報告する.【方法】1994年から2012年12月までに当科で悪性胆道狭窄の最終治療としてMSを留置した381例(膵癌149例,胆嚢癌40例,胆管癌123例,転移52例,その他13例)を対象とした.中下部胆道狭窄246例(膵癌143例,胆嚢癌20例,胆管癌48例,転移31例)における癌種別ステント開存期間及び,coverの有無別,先端位置別の開存期間を比較検討した.また,肝門部胆管狭窄117例(胆嚢癌20例,胆管癌75例,転移21例)における癌種別ステント開存期間及びsingle stent群とmultistent群例の開存期間と生存期間検討した.【成績】中下部胆道閉塞:癌種別検討では50%開存期間は膵癌421日,胆嚢癌198日,胆管癌245日と膵癌で長期開存の傾向を認めた(p=0.07).coverの有無及び先端位置別検討では50%開存期間がcovered MS(cMS)410日,uncovered MS(uMS)221日とcMS群が有意に長期開存を認めた(p=0.01).MSの先端位置が胆管内(BD) 169日,十二指腸内(Du) 499日でDu群が有意に長期開存を認めた(p=0.001).cMSのBD群とDu群およびuMSのBD群とDu群の50%開存期間はそれぞれ123日,441日,171日,256日で,cMSのDu群のみが有意の長期開存を認めた(p=0.03).肝門部胆道狭窄:癌種別検討では50%開存期間は胆嚢癌174日,胆管癌301日と有意差を認めなかった.single stent群とmultistent群の50%開存期間,生存期間はそれぞれ240日,240日,171日,151日で有意差を認めなかった.【結論】中下部胆道狭窄では,cMSを用い先端を十二指腸に出して留置すると有意に長期開存を認めた.肝門部胆道狭窄ではsingle stent群とmultistent群間に有意差を認めないため,減黄可能であれば,安価で閉塞時の対応が容易な片葉ドレナージ良いと考えられた. |
索引用語 |
胆管癌, 治療 |