セッション情報 ワークショップ14(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)

胆道癌の胆管ドレナージの標準化-手術症例と非手術症例

タイトル 内W14-10追:

非切除胆道癌による肝門部狭窄に対する胆道ステントの種類・留置形態の検討

演者 中島 賢憲(岐阜市民病院・消化器内科)
共同演者 向井 強(岐阜市民病院・消化器内科), 安田 一朗(岐阜大・1内科)
抄録 【背景・目的】非切除胆道癌による肝門部狭窄に対する胆道内瘻術は未だ標準化されておらず,施設毎に様々なステントが様々な形態で留置されている.最善の胆道ステント・留置形態について検討する.【対象】1997年4月~2012年9月に当施設で胆道内瘻術を行った非切除胆道癌による肝門部狭窄症例【方法】metallic stent (MS)とplastic stent (PS),片葉留置と両葉留置の開存期間・再閉塞時の治療について調査した.【結果】対象例は99例.使用ステントはMS58例/PS41例.年齢中央値76歳(51~95歳),男性52例/女性47例.肝門部胆管癌59例/胆嚢癌26例/肝内胆管癌14例.遠隔転移有45例,腹水有46例.化学療法施行23例,放射線体外照射施行32例.留置形態:片葉47例/両葉52例.MS群とPS群では,これら背景因子に有意差はなく,50%開存期間はMS362/PS89日とMSで有意に長かった(p<0.001).片葉群と両葉群においても背景因子に有意差はなく,50%開存期間は片葉214日/両葉172日で有意差を認めなかった.ステント閉塞率はMS群 45%/PS群68%とPSで有意に高く(p=0.0199),原因(MS/PS)はingrowth+overgrowth20例/6例,sludge6例/21例,dislocation0例/1例であった.再内瘻化不可能10例/5例のうち技術的不成功例はMS両葉留置の2例で,ガイドワイヤがメッシュ間隙を通過しなかったが,いずれもメッシュ間隙が狭いMSを使用していた.【結語】非切除胆道癌による肝門部狭窄においては,3か月以上の予後が見込める場合はMSが良い.片葉留置か両葉留置かについては開存期間に差はないが,再内瘻化のしやすさからは,胆管炎・減黄のコントロールが片葉ドレナージで可能であれば,片葉留置で良い.また,MSを両葉留置する際はメッシュ間隙の大きいもの選択すると良い.
索引用語 非切除胆道癌, 肝門部狭窄