セッション情報 |
ワークショップ15(消化器病学会・消化器内視鏡学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)
門脈圧亢進症-治療法の選択とその成績
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タイトル |
内W15-4:EVLを中心とした食道静脈瘤および噴門部胃静脈瘤治療の長期成績
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演者 |
荒木 寛司(岐阜大附属病院・光学医療診療部) |
共同演者 |
井深 貴士(岐阜大大学院・消化器病態学), 森脇 久隆(岐阜大大学院・消化器病態学) |
抄録 |
【目的】 EVLは簡便性などから多くの施設で食道静脈瘤治療として選択されている.しかしながら,安易なEVLでの不完全な治療による早期の再発や再出血を招き患者に不利益をもたらす.当科では巨木型を含む食道静脈瘤および噴門部胃静脈瘤(Lg-c)にはEVL+APC地固め療法を標準治療としている.静脈瘤治療前には造影CTにより門脈側副血行路を解析し,治療後にはEUSでの食道噴門壁内血管, peri-ECVs, para-ECVs, 貫通血管の評価を必須としている.当科での食道静脈瘤Lg-cの治療の現況と成績を提示する.【方法】 1999年6月から2010年10月までに当科にてEVLで加療した連続症例の食道静脈瘤症例の421例.Lg-cは27.5%に合併していた.Lg-cはF1が60%,F2が30%,F3(巨木型)が10%であった.食道静脈瘤(Lg-c含む)に対してEVLを施行し,Lg-cも反転操作でEVLで加療した.Vp因子症例などの予後不良例以外にはAPCによる地固め療法を追加した.早期再出血例,早期再治療例を難治例としその臨床的背景を検討した.【成績】EVLでの長期成績は,累積非出血率は3年92%,5年86%,10年86%であった.累積非再治療率は3年55%,5年40%,10年32%であった.累積生存率は3年50%,5年33%,10年12%であった.Lg-c合併例ではLg-cの消失率は94.7%であった.Lg-c合併例で累積非再治療率は3年63.8%,5年55.9%で,Lg-c非合併例の58.4%,43.4%と有意差を認めなかった.また,難治例は治療後6カ月以内の出血例を7例(1.7%),6カ月以内に再治療を要した症例を20例(4.8%)に認めた.臨床的背景ではVp4症例を19%に認め,ChildC症例を37%に認め,病因ではアルコール性肝硬変が30%を占め,IPH,糖原病,Wilson病など特殊な病因の症例も認めた.【結論】多くの食道静脈瘤・噴門部胃静脈瘤は術前術後の評価を厳密に行うことによりEVLで治療可能であるが,緊急例や難治例が存在し,それらにはHCCの治療を含む集学的な治療を要する. |
索引用語 |
食道静脈瘤, EVL |