セッション情報 | ワークショップ17(消化器病学会・消化器外科学会合同)胃癌に対するロボット手術,内視鏡外科の現況と将来 |
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タイトル | 外W17-5指:当院における胃癌に対する腹腔鏡手術の現況と将来展望 |
演者 | 比企 直樹(がん研有明病院・消化器外科) |
共同演者 | |
抄録 | 近年,胃癌に対する腹腔鏡下胃切除は内視鏡外科学会のアンケート調査でも年間7000例を上回り施行され,普及している.腹腔鏡下幽門側胃切除においては定型化もなされ,一般的な術式と言えるようになってきたが,この技術を応用したD2リンパ節郭清や胃全摘術における再建,噴門側胃切除における再建など,まだまだ成績も安定していない.また,機能温存手術である腹腔鏡下幽門保存胃切除(LAPPG)においても食物停滞などの問題があり,普及には至っていない. 1) 当院ではD2リンパ節郭清を伴う膵上縁郭清に左側アプローチを採用しているが,体型によっては視野展開方法が難しいという難点があった.これらを打破するために十二指腸離断を早めることや視野展開デバイスを用いることで安全なD2リンパ節郭清を行うことができるようになった. 2) 胃全摘の再建方法として引き上げ法を改良し,より開腹に近い形でその手技や成績を安定させてきた. 3) 噴門側胃切除では逆流を最小限に抑え,安定した吻合を再現できる鏡視下の上川法による食道胃吻合を施行している. 4) 停滞が問題となるLAPPGでは右胃動静脈,幽門下動静脈を完全温存することで停滞をほぼ皆無とすることができた. 将来的には究極の機能温存術として,腹腔鏡内視鏡合同胃局所切除(LECS)の癌治療への応用も考慮している.当院における内視鏡外科の治療成績と将来へ向けての試みとを述べる. |
索引用語 | 腹腔鏡下胃切除術, 腹腔鏡内視鏡合同胃局所切除(LECS) |