セッション情報 |
ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
治療困難病変に対する胃ESDの実際,工夫 ≪ビデオ≫
|
タイトル |
内W18-4:瘢痕合併病変胃ESDの安全確実な手技
|
演者 |
辻 陽介(東京大附属病院・消化器内科) |
共同演者 |
大圃 研(NTT東日本関東病院・消化器内科), 松橋 信行(NTT東日本関東病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】胃ESDにおいて瘢痕合併病変(UL病変)は依然として困難病変であるが,「UL+,分化型M癌,径3cm以内」はESD適応拡大条件でありUL病変の攻略は必須である.今回,当院での胃ESD(UL病変)の治療成績を検討し,治療戦略の妥当性を検証した.【方法】2007年7月~2012年12月に当院で施行された胃ESD 1235件のうち,131病変(腫瘍直下病理学的繊維化90病変・病変近傍に明らかな肉眼的瘢痕41病変)のUL病変に対する治療成績を検討した.同時に,胃ESD経験50例以下のtrainee先発UL症例18例の治療成績も検討した.【切除方法】UL病変では,水平方向に加え奥行きを把握した三次元的な筋層ラインの推定が最も大切である.瘢痕突破の際はヒアルロン酸で周囲を挙上させ十分掘り込んだ上で先端フードで潜り込み,至適ラインを可視化してDualナイフで突破する.traineeにおいては力量を勘案してUL症例を割り振り,上級者が完全バックアップする.【成績】UL病変ESDの成績:A. 平均切除標本長径 53.0±20.0 mm,B. 平均病変長径 21.5±16.1 mm,C. 平均術時間 103.4±66.9 min,D. 一括切除率 100%,E. R0切除率 87% (117例),F. 治癒切除率 72.5% (95例),G. 穿孔率 4.6% (6例),H. 後出血率 6.9% (9例).ESD全体1235件の成績:A 45.7±19.3 mm,B. 18.1±13.0 mm,C. 69.5±54.1 min,D. 100%,E. 95.4% (1178例),F. 86.4% (1067例),G. 2.0% (25例),H. 6.1% (75例).trainee先発症例:R0切除率 94.4%,後出血1例(5.6%),穿孔はなし.【結論】オーソドックスなストラテジーの基本を徹底した現行手技においても当院のUL病変ESD成績は比較的良好であり,また指導体制の整備によりtrainee先発UL病変ESDも安全に施行可能であった.当日は,当院のUL病変における手技を動画で供覧する予定である. |
索引用語 |
胃ESD, UL |