セッション情報 |
ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
治療困難病変に対する胃ESDの実際,工夫 ≪ビデオ≫
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タイトル |
内W18-9:穹隆部早期胃癌に対するESD ー当科における手技の工夫と治療成績ー
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演者 |
沼田 紀史(広島大病院・内視鏡診療科) |
共同演者 |
岡 志郎(広島大病院・内視鏡診療科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科) |
抄録 |
【背景】胃穹隆部病変の特徴として,1)筋層の固定が悪く壁が薄い,2)呼吸性変動が大きい, 3)洗浄液や出血で病変が水没しやすい, 4)病変とスコープの至適距離が保ちにくい, 5)接線方向からのアプローチが困難, などの理由が挙げられる.【目的】当科における穹隆部ESD手技の工夫と治療成績を検討する.【対象と方法】2005年4月~2012年12月に当科にてESDを施行した穹隆部早期胃癌14例 (同期間の胃ESD 1592例の0.9%,男性11例/女性3例,平均年齢69.2歳,平均腫瘍径17.1 mm (8~40mm),分化型癌14例,M癌13例/SM癌1例)を対象に,完全一括摘除率,平均術時間,偶発症,予後について検討し,工夫の実際をVTRで供覧する.【穹隆部ESD手技の工夫】当科では,1)Mスコープ (Olympus社製GIF-2TQ260M)の使用,2)出血時における体位変換 (右側臥位)による視野確保,3)エア量調節によるスコープと病変間の至適距離の保持,4)状況に応じたデバイスの選択 (ITナイフ2が主で,病変が正面視となった際のSBナイフや線維化例のHookナイフの併用),5)線維化合併などにより粘膜下層にアプローチ困難な場合のSTフードの使用,6)糸付きクリップによるカウンタートラクション,7)状況に応じた硬性スネアの併用,などを行っている.【治療成績】完全一括摘除率は79% (11/14)であった.不完全摘除の内訳は分割切除1例,熱凝固を伴う水平断端(HM)陽性2例であった.平均術時間は96分で,後出血例は認めなかった.術中穿孔2例 (14%),遅発性穿孔1例 (7%)を認めたが,全て保存的に軽快した.不完全摘除および穿孔例はいずれも穹隆部ESDの経験数が少ない初期に施行した高度線維化合併例であった.局所再発をHM陽性の1例に認めたが,再ESDにて根治切除可能であった.【まとめ】穹隆部ESDは手技的難易度が高いが,Mスコープの使用,状況に応じたデバイスの選択,体位変換などの工夫および経験を重ねることで安全に施行可能である. |
索引用語 |
胃ESD, 早期胃癌 |