セッション情報 | ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)治療困難病変に対する胃ESDの実際,工夫 ≪ビデオ≫ |
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タイトル | 内W18-14追:Endolifterの効果的な使い方 - ex-vivo試験の結果から |
演者 | 後藤 修(慶應義塾大・腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門DELIMITERDepartment of Gastroenterology and Hepatology, Academic Medical Center, AmsterdamDELIMITERDepartment of Gastroenterology and Hepatology, St. Antonius Hospital, Nieuwegein) |
共同演者 | B. L. Weusten(Department of Gastroenterology and Hepatology, Academic Medical Center, AmsterdamDELIMITERDepartment of Gastroenterology and Hepatology, St. Antonius Hospital, Nieuwegein), 矢作 直久(慶應義塾大・腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門) |
抄録 | 【目的】Endolifter®(以下EL)は,胃ESDにおいて適切なカウンタートラクションをかけ,直視下に粘膜下層を剥離する目的で開発された先端装着型把持鉗子である.操作部のハンドルを押し出して把持鉗子を画面の12時方向から突出させ,一部剥離された粘膜を把持した後ハンドルを引いて粘膜を引き上げ,粘膜下層を直視下に剥離することで,安全かつ効率的なESDが可能となる.ELの有用性を検証する比較試験を机上にて施行し,効果的な使用法を検討した. 【方法】Academic Medical Center内実験室において,2名の内視鏡医(ESD臨床経験100例以上1名,10例以下1名)がブタ切除胃16個を用いて,各32病変,計64病変に対してESDを施行した.各胃には径3cm大の仮想病変を4個作成し,体部後壁の2病変を順方向(F群)で,体部小弯の2病変を反転方向(R群)で,さらに各群において一方をEL使用下に,もう一方を非使用下に粘膜下層剥離を行うこととした.各胃において切除順序はランダムに決定された.ヒアルロン酸溶解液を局注後,先端系ナイフを用いて全周切開を行ってから粘膜下層剥離を行った.ELの有無,施行医,切除病変数(第1期~第4期)の3因子について粘膜下層剥離速度(分/cm2)への影響を群別に解析した. 【成績】一括切除率98.4%,穿孔率1.6%であった.粘膜下層剥離速度中央値は0.77分/cm2(F群:0.70分/cm2,R群:0.83分/cm2)で,EL使用・非使用下ではF群:0.56・0.92分/cm2(P=0.0288),R群:1.07・0.48分/cm2(P=0.1051)であった.粘膜下層剥離速度中央値で症例を2群(Slow/Fast群)に分割して施行した多変量解析において,F群ではEL使用と臨床経験の多さが剥離速度を上げる独立因子であった.一方R群では切除病変数の蓄積のみが有意な独立因子であった. 【結論】ELは粘膜下層時に順方向でのアプローチとなる症例においてスピーディに粘膜下層剥離を行えるデバイスとして有用であると考えられた.実際の使用法を動画で供覧する. |
索引用語 | ESD, Endolifter |