セッション情報 ワークショップ19(消化器内視鏡学会・消化器がん検診学会合同)

大腸内視鏡-苦痛のない挿入法,見落としのない観察法 ≪ビデオ≫

タイトル 内W19-11:

二木会流挿入法による快適な大腸内視鏡検査

演者 村田 聡(ムラタ胃腸クリニック)
共同演者 鈴木 康元(松島クリニック)
抄録 二木会は2000年7月に設立された大腸内視鏡(TCS)挿入法の勉強会で,自分が診ている患者さんや働いている施設から大腸癌で亡くなる方を出さないことを活動理念にしており,全国に700名以上のコロノスコピストが在籍している.二木会流挿入法とは「直腸から盲腸までの挿入法がパターン化されていてかつ挿入法を具体的に言葉で表現できる挿入法」としており,ループの有無は問うていない.当クリニックではsedationを用いた二木会流挿入法でTCSを施行しており,2011年1月~2012年12月までの2年間で2889人に対して検査終了後行ったアンケート調査の結果では,検査快適度は99.1%と非常に高率(楽だった41.3%,わからなかった42.5%,検査自体が苦しかった0.9%)で,再検査を受容する割合も98.4%と極めて高かった.二木会入会前後で大腸内視鏡挿入技術について比較したところ,回盲部到達率は入会前の98%前後から入会後には99%以上となっており2011年は99.9%であった.また回盲部到達時間も開業から入会前までは6~10分の症例が多く11~15分の症例も少なくなかったが,入会後の2006年からは明らかに6~10分,11~15分以内の症例が減少した.これを回盲部到達時間が5分以内であった割合で比較すると,入会前の33%(4831例中1599例)から入会後には83%(4793例中3973例)へと明らかに増加していた.因みに2011年回盲部到達時間の中央値は2分57秒であった.このように二木会流挿入法でパターン化された挿入法を勉強することは,検査の安全性や快適性は保ったまま回盲部到達率の改善や回盲部到達時間の短縮を可能にするものと考える.そして,パターン化された挿入法を習熟することで快適かつ挿入時間の短い大腸内視鏡検査を行うことができれば,観察時間を十分にとることができ延いては見落としの少ない検査にも繋がるものと考える.今回は,この二木会流挿入法を動画で供覧するとともに挿入法のポイントについて解説する.
索引用語 大腸内視鏡, 二木会流