セッション情報 |
ワークショップ20(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
早期直腸癌治療における新展開
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タイトル |
外W20-7:cT1-T2下部直腸・肛門管癌に対する腹腔鏡下ISRの治療成績の検討
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演者 |
塩見 明生(静岡がんセンター・大腸外科) |
共同演者 |
絹笠 祐介(静岡がんセンター・大腸外科), 山口 智弘(静岡がんセンター・大腸外科) |
抄録 |
【目的】原発性直腸癌に対する腹腔鏡下intersphincteric resection (LAP-ISR)の有用性を検討すること.【対象と方法】2003年9月から2012年4月の期間に,cT1-T2原発性下部直腸・肛門管癌に対してLAP-ISRを施行した37例を対象とし,短期成績,腫瘍学的成績,術後排便機能をretrospectiveに検討した.【結果】年齢 66.0(39-75)歳,男女比 17:20,腫瘍下縁距離中央値 AV 4.0(1.0-5.0)cm.腫瘍径 2.5(0.8-6.0)cm.病理学的壁深達度 Tis/T1/T2/T3/T4 3/22/11/1/0例,病理学的進行度TNM-Stage 0/I/II/III/IV 3/24/0/10/0例. (I)手術因子:手術時間中央値315(195-502)分.出血量中央値37(0-745)ml.DM距離中央値1.2(0.5-2.2)cm.リンパ節郭清個数中央値22個.全例に病理学的外科剥離面陰性の切除がなされた. (II)短期成績:術後在院日数中央値 10.0(7-19)日.術後合併症はイレウス6例,排尿障害2例,吻合部狭窄2例,縫合不全2例,創感染2例.周術期死亡例なし.(III)腫瘍学的成績:観察期間中央値2.8年.対象全体の3年RFS 93.1%.局所再発は認めなかった.(IV)排便機能:排便回数中央値4 (0.5-10)回/日.Kirwan’s continence grade I/II/III/IV/V 11/2/14/1/1例であった. 【考察】cT1-T2原発性下部直腸・肛門管癌に対して,LAP-ISRは有用な治療選択肢であると考える.腫瘍学的成績に関しては,さらに長期の経過観察が必要である. |
索引用語 |
腹腔鏡手術, 機能温存 |