セッション情報 ワークショップ23(消化器内視鏡学会)

胆膵内視鏡のトラブルシューティング ≪ビデオ≫

タイトル 内W23-5:

胆管・膵管ステント迷入に対する対処法

演者 高木 亮(手稲渓仁会病院・消化器病センター)
共同演者 真口 宏介(手稲渓仁会病院・消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院・消化器病センター)
抄録 【目的】胆管・膵管ステント迷入に対する対処法について検討する.【対象】2006年7月から2013年2月までに当センターで胆管・膵管ステント迷入に対して内視鏡治療を行った10例(胆管 5,膵管 5,他院発生 1を含む).男:女=5:5,平均年齢57.5歳(35-77).ステント留置理由は,胆管では,悪性胆道狭窄 3(胆管癌 1,右腎盂癌 1,胃癌 1),良性胆道狭窄2(胆嚢摘出術に伴う胆管損傷 1,慢性膵炎 1),膵管では,慢性膵炎に伴う主膵管狭窄 3,プレカット目的 1,膵炎予防目的 1.検討項目は,1)迷入したステント,2)迷入理由,3)回収法と手技成功率,4)偶発症,とした.【成績】1)迷入したステントは,胆管では,プラスチックステント(PS) 4(ストレート型7Fr 7cm 2,7.5Fr 8cm 1,8Fr 12.5cm 1),カバードメタリックステント(CS) 1(fullcovered 10mm×7cm)であり,膵管では,PS 5(ストレート型5Fr 5cm 1,5Fr 7cm 1,7Fr 9cm 2,片側pig-tail型5Fr 3cm 1)であった.2)迷入理由は,胆管では,経過中の自然迷入 4(PS 3,CS 1),留置時の内視鏡操作 1であった.膵管では,経過中の自然迷入 2,留置時の内視鏡操作 2,抜去時のステント断裂 1であった.3)回収に用いたデバイスは,胆管では,PS迷入に対し,把持鉗子 4,バルーン併用 1,バスケット併用 1であり,うち1例は十二指腸狭窄により経乳頭的内視鏡治療が困難であったため,PTBDルートから把持鉗子を用いて回収した.CS迷入は把持鉗子で抜去した.膵管では,EPBDバルーン 5,把持鉗子 3,バスケット 1,Soehendra stent retriever(SSR) 1など複数のデバイスを併用した.最終的に全例でステント回収に成功した.抜去後にENBD 2,ENPD 4を留置した.4)偶発症は膵管PS抜去後の膵炎(軽症)1例のみであり,保存的に軽快した.【結論】胆管・膵管ステント迷入に対しては,把持鉗子,バルーン,バスケット,stent retrieverなど複数のデバイスを組み合わせて使用する柔軟な対応が必要である.
索引用語 胆管ステント, 膵管ステント