セッション情報 |
ワークショップ23(消化器内視鏡学会)
胆膵内視鏡のトラブルシューティング ≪ビデオ≫
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タイトル |
内W23-8:胆管空腸吻合症例に対するダブルバルーン内視鏡治療の有用性 肝内結石治療のコツとトラブル回避法
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演者 |
畑中 恒(自治医大・消化器内科) |
共同演者 |
矢野 智則(自治医大・消化器内科), 玉田 喜一(自治医大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】胆管空腸吻合症例に対するダブルバルーン内視鏡治療,特に肝内結石治療の現状について検討し,治療のコツとトラブル回避法を供覧すること.【方法】(対象期間)2002年4月~2012年12月,(対象)当科で術後再建腸管に対してダブルバルーン内視鏡下ERC(DBERC)を施行した179症例,329件のうち胆管空腸吻合を有する116症例,241件で,全例が胆管炎もしくは胆管拡張を伴う肝胆道系酵素上昇を認めるもの(再建術式)Roux-en-Y法:88.8%(103/116例),PD法:11.2%(13/116例),検討項目は1) ~8)の8項目.【成績】1) 平均年齢:39.0歳(4~81歳),2) 男女比 62:54,3) 肝内結石保有率:44.8%(52/116例,52例中13例は初回治療時には肝内結石なし),4) 胆管空腸吻合部到達率:76.7%(89/116例),5) 胆管空腸吻合部所見:狭窄あり56.0%(65/116例),狭窄なし20.7%(24/116例),不明23.3%(27/116例),6) 截石成功率:78.8%(41/52例),7) 完全截石までのDBERC平均回数:1.5回,8) 偶発症:3.3%(8/241件,急性膵炎1件,消化管出血2件,ガイドワイヤーによる胆管穿通3件,胆道拡張バルーンによる胆管損傷1件,一過性輸入脚血流障害1件)【手技のコツ】(挿入法)Roux-en-Y法では,インジゴカルミン液を用いた輸入脚判定法により,80%台の輸入脚正解率が期待できる.(胆管造影)胆管空腸吻合部狭窄症例では,先細型カテーテルを用いたWire-guided cannulationが有効である.(截石)大結石や嵌頓結石に対するENBD留置下のESWLの併用や細径内視鏡を胆道鏡として鏡視下に截石するコンビネーション法が有効な場合がある.【結論】胆管空腸吻合を有する肝内結石に対しても,重篤な偶発症なく内視鏡治療が可能であった.しかし,処置具の選択に制限があるためESWLや細径内視鏡の併用が有効な場合もある.今後は処置具やDBERC専用機の開発などが望まれる. |
索引用語 |
胆管空腸吻合, ダブルバルーン内視鏡 |