セッション情報 ワークショップ23(消化器内視鏡学会)

胆膵内視鏡のトラブルシューティング ≪ビデオ≫

タイトル 内W23-11:

デバイス突破を目的としたSoehendra stent retrieverを用いた拡張術

演者 堤 康一郎(岡山大病院・消化器内科)
共同演者 加藤 博也(岡山大病院・消化器内科), 山本 和秀(岡山大病院・消化器内科)
抄録 【目的】胆管・膵管狭窄や胆管空腸・膵管空腸吻合部狭窄に対する内視鏡処置の際,ガイドワイヤー(GW)は狭窄突破したにもかかわらず,高度狭窄のためカテーテルやダイレーター,ステントなどのデバイス通過が困難なことを時に経験する.EUSガイド下ドレナージの際の穿刺部拡張や悪性肝門部胆管狭窄に対する金属ステント(MS)によるmulti-stentingの際のMS間隙突破などの治療手技においてもしばしば同様なことがある.Soehendra stent retriever(SSR;COOK社)は本来プラスティックステント(PS)抜去を目的とした金属製のデバイスであるが,この先端のスクリュー構造を利用した拡張手技がこれら難症例の処置完遂に有用となることがある.本手技を供覧し,当院での成績を報告する.【方法】デバイス突破が困難な高度胆膵管狭窄,吻合部狭窄,治療手技症例に対し,全例GW誘導下に7-Fr SSRを使用した.狭窄または突破困難部にSSRを押し付けながら一定方向への回転を加えて鈍的拡張を試みた.内視鏡および透視下にSSRの先進を確認後,逆方向の回転を加えながら抜去した.続けてカテーテルやダイレーター,ステントを通過させ,処置完遂を目指した.【成績】29例にSSRを使用した.内訳はEUS下ドレナージ14例(膵仮性嚢胞13例,膵管1例),肝門部MS multi-stenting12例(MS留置時5例,MS閉塞後のPS追加時7例),吻合部狭窄2例(胆管空腸1例,膵管空腸1例),慢性膵炎による膵管狭窄1例.その結果,90%(26/29)(膵仮性嚢胞12例,膵管1例,肝門部MS留置5例,肝門部PS追加5例,吻合部狭窄2例,慢性膵炎1例)で処置完遂できた.合併症は出血7%(2/29)(EUS下ドレナージ2例)で,1例はcoilingでの止血を要した.また術後再建腸管を有する吻合部狭窄症例ではShort typeバルーン内視鏡(EC450-BI5;Fujifilm社)下に処置完遂した.【結論】デバイス突破が困難な高度胆膵管狭窄,吻合部狭窄,EUSガイド下ドレナージや肝門部MS multi-stenting関連処置に対して,SSRによる拡張が処置完遂の一手段として有用である.
索引用語 SSR, 拡張術