セッション情報 ワークショップ23(消化器内視鏡学会)

胆膵内視鏡のトラブルシューティング ≪ビデオ≫

タイトル 内W23-13:

EUSガイド下胆管ドレナージ術における工夫とトラブルシューティング

演者 今井 元(近畿大・消化器内科)
共同演者 北野 雅之(近畿大・消化器内科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科)
抄録 【目的】近年,胆膵疾患に対するEUSガイド下胆道ドレナージ術(EUS-BD)の有用性が報告されているが,様々な偶発症に遭遇することがある.2012年12月までに当院において経験したEUS-BDを118例における工夫とトラブルシューティングを動画を用いて報告する.【方法と工夫】EUS-BDにおける注意点として,次の5点が考えらえる.1.穿刺時のポジションを透視画面だけでなく,超音波画面でも常にキープをすること.2.ステントはメタルステント(MS)留置を基本とすること.3.ステントリリースは内視鏡画面で確認しながら実施すること.4.ステントmigration予防として長めのステントを選択すること.5.対象症例に応じてドレナージルートを事前に検討しておくこと.EUS-BDでは穿刺孔の拡張に難渋することが多い.原因の一つに拡張時に透視画面を見ながら拡張した場合が多く穿刺軸がずれることで拡張困難となっていたことが多かった.ステントの種類は,偶発症の発生率がプラスチックステント(PS)(34.1%)よりもMS(17.8%)が少ない傾向にありPSよりもMSの方が安全と考える.ステントmigrationを予防するためにリリースは内視鏡画面で確認しながら実施し,消化管側に長めに出た状態で留置する.ドレナージルートの選択は,乳頭の観察が可能な場合はランデブー法を第一に検討し,経乳頭的アプローチが困難な場合は他の方法を選択する.EUS-choledochoduodenostomy(CDS)は他に比べ手技は容易であるが,穿刺ライン上に血管等の介在物が存在する場合,十二指腸球部に到達困難な場合など様々な事由によりCDSが実施出来ない場合がある.その代替方法としてhepaticogastrostomy(HGS),gallbladder drainage(GBD),antegrade stenting(ANT)などが選択される.CDS適応の61例のうち30例で他のドレナージルートが選択された.【結語】EUS-BDは経乳頭的治療困難例に対する有用な減黄術であるが,単一の穿刺ルート,デバイスに固執せず最も有効なドレナージ法を総合的に判断することがトラブルシューティングにつながる.
索引用語 胆道ドレナージ術, トラブルシューティング