セッション情報 |
ワークショップ24(消化器内視鏡学会・消化器がん検診学会合同)
細径内視鏡を活用した消化器診療
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タイトル |
内W24-1:当院における細径内視鏡を用いた上部消化管内視鏡検診の現状
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演者 |
大竹 陽介(国立がん研究センターがん予防・検診研究センター・検診開発研究部DELIMITER国立がん研究センター中央病院・内視鏡科) |
共同演者 |
松本 美野里(国立がん研究センターがん予防・検診研究センター・検診開発研究部DELIMITER国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 角川 康夫(国立がん研究センターがん予防・検診研究センター・検診開発研究部DELIMITER国立がん研究センター中央病院・内視鏡科) |
抄録 |
【目的】上部消化管内視鏡検診における胃癌および食道癌の拾い上げについて,通常径内視鏡と細径内視鏡とを比較検討する.【方法】2004年2月から2012年12月までに当院で施行した上部消化管内視鏡検診受診者のうち,食道切除および胃切除の既往のある受診者を除外した12825例を対象とし,初回検査および2回目以降の検査にて発見された胃癌,食道癌について通常径内視鏡を用いた群(通常群)および細径内視鏡(2009年9月導入)を用いた群(細径群)に分けて検討した.【成績】初回検査において通常群は10600例で男女比は6279:4321,受診時年齢は平均58.3歳(中央値59歳)であった.背景胃粘膜に胃体部萎縮を認めたものは5160例(48.7%)で,発見胃癌は103例(0.97%)であり,その深達度は粘膜内癌65例,粘膜下層浸潤癌25例,進行癌13例であった.食道癌は18例(0.17%)に認め,深達度は粘膜内癌15例,粘膜下層浸潤癌3例であった.一方,細径群は2225例で男女比は1393:832,受診時年齢は平均55.9歳(中央値56歳)であった.背景胃粘膜に胃体部萎縮を認めたものは797例(35.8%)で,発見胃癌は16例(0.72%)であり,その深達度は粘膜内癌15例,粘膜下層浸潤癌1例であった.食道癌は2例(0.09%)に認め,深達度は粘膜内癌1例,固有筋層浸潤癌1例であった.両群の癌発見率に有意差を認めなかった(p=0.173).2回以上検査を受けた受診者は5020例,2回目以降の検査数はのべ10333件(通常群7245件,細径群3088件)であった.発見癌は82例(胃癌64例,食道18例)であり,通常群60例(発見率0.83%),細径群22例(同0.71%)であった.このうち前回偽陰性(1年以内と定義)であったものが26例であり,その内訳は通常群24例(0.3%),細径群2例(0.06%)であった.【結論】細径内視鏡を用いた上部消化管検診は通常内視鏡を用いたものに比して遜色ないものと考えられた. |
索引用語 |
細径内視鏡, 上部消化管内視鏡検診 |