セッション情報 ワークショップ24(消化器内視鏡学会・消化器がん検診学会合同)

細径内視鏡を活用した消化器診療

タイトル 内W24-2:

細径経鼻内視鏡による粘膜・血管パターンによる内視鏡診断

演者 柳澤 京介(東京医大・内視鏡センター)
共同演者 後藤田 卓志(東京医大・消化器内科), 河合 隆(東京医大・内視鏡センター)
抄録 背景:新しい細径内視鏡(GIF-XP290N:以下290N)は近接観察することでハイビジョン画像を得られるように開発された.我々は早期胃癌において,このスコープのNBI近接観察画像がGIF-H260Z非拡大画像と同等の画質を有することを報告した1).今回NBI近接拡大観察近接観察画像による粘膜・血管パターンにより,胃微小病変の良悪性の鑑別が可能かどうかを検討した.対象および方法:上部消化管検索目的にて290Nによる内視鏡検査を受けた102名の患者さんである.胃粘膜において20mm以下の微小病変(隆起性病変,陥凹性病変,発赤平坦病変)を認めた場合,NBI近接観察した.近接観察において,粘膜パターンでは,微細粘膜模様の消失・不明瞭化(DFMS)の有無,血管パターンでは病変部の血管密度(IMVD)の増加の有無を検討した.病変は全例生検にて組織を採取し,病理組織検討を行った.結果:102例のうち37例(38病変)に微小病変を認めた.内訳は隆起性病変19例(良性17例,悪性2例)であった.悪性ではDFMS(+)IMVD(+):1例,DFMS(+),IMVD(-)1例,良性は全例DFMS(-)IMVD(-)であった.陥凹性病変12例(良性10例,悪性2例),悪性ではDFMS(+)IMVD(-):2例,良性は全例DFMS(-)IMVD(-)であった.発赤平坦病変7例(すべて良性)である.6例DFMS(-)IMVD(-),1例はDFMS(-)IMVD(+)であった.結語: 290NのNBI近接観察では微細粘膜模様の消失・不明瞭化(DFMS)の有無,血管パターンでは病変部の血管密度(IMVD)の増加の有無が良悪性の鑑別に有用であると思われた.参考文献1,Dig Endosc 2013 in press
索引用語 細径内視鏡, 内視鏡診断