セッション情報 |
ワークショップ24(消化器内視鏡学会・消化器がん検診学会合同)
細径内視鏡を活用した消化器診療
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タイトル |
内W24-6:細径大腸内視鏡と汎用大腸内視鏡の患者苦痛度に関する比較検討
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演者 |
佐藤 浩一郎(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科) |
共同演者 |
伊藤 紗代(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 前谷 容(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】外径9.2mmの受動湾曲および高伝達蛇管を備えた細径大腸内視鏡(PCF-PQ260L)と汎用大腸内視鏡(CF-Q260AI)にて施行した大腸内視鏡検査で痛みの程度を比較検討する.【方法】2010年1月から2012年5月の期間に施行された細径大腸内視鏡群(PCF群)もしくは汎用大腸内視鏡群(CF群)を用いた大腸内視鏡検査で,以下のごとく検討した.1.PCF群とCF群のVAS(0-100mm)による痛みの比較.2.年齢,性別,BMI,内視鏡機種,腹部手術既往,骨盤内手術既往,便秘症,S状結腸憩室,検査回数(初回,複数回)を検討因子として,痛みに影響を与える因子を検討する.VAS40mm以上を痛みあり,未満を痛みなしとした.また,各内視鏡群で痛みに影響を与える因子を検討した.【成績】対象は463例(男性:女性=236:227)で2群間の患者背景(年齢,性別,BMI,手術既往歴)に差はなかった.1.痛みは女性でPCF群にて有意に減少したが男性群では差はなかった.(女性:PCF群中央値10 vs CF群30mm,P<0.001;男性:PCF群中央値5 vs CF群8mm),P=0.24)2.全体の痛みに影響する因子の単変量解析では,女性,BMI,骨盤内手術既往,細径内視鏡の使用が有意な因子であったが,多変量解析では,女性(Odds比4.49,95%CI 2.08-9.7,P<0.001),細径内視鏡の使用(Odds比0.16,95%CI0.08-0.33,P<0.001)が痛みに影響を与える独立した因子であった.CF群単独の単変量解析では,女性,BMI,骨盤内手術既往が有意な因子であったが,多変量解析では,女性(Odds比5.56,95%CI 2.27-13.8,P<0.001),骨盤内手術既往(Odds比3.15,95%CI 1.16-8.57,P=0.025),が痛みに影響を与える独立した因子であった.PCF群単独の単変量解析では,女性のみ有意な因子であった.多変量解析では,有意差はなかった.【結論】細径大腸内視鏡は汎用内視鏡と比べ,女性では痛みが減弱した.大腸内視鏡における痛みを増強させる因子は,女性であった.また,汎用大腸内視鏡の使用では,女性および骨盤内手術既往が痛みを増強させる因子であった. |
索引用語 |
細径大腸内視鏡, 患者苦痛度 |