セッション情報 ワークショップ24(消化器内視鏡学会・消化器がん検診学会合同)

細径内視鏡を活用した消化器診療

タイトル 内W24-8:

挿入困難例,および進行癌(全周性)におけるPCF-PQ260L/Iの有用性

演者 工藤 孝毅(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
共同演者 工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 工藤 豊樹(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
抄録 【目的】現在標準的に使用されているスコープ(オリンパス社製CF-H260AI,CF-H260AZI)だけでは,挿入困難例(癒着症例,狭窄症例など)に困難な局面に遭遇することがある.今回,このPCF-PQ260L/Iを用いて,挿入困難例,全周性の進行癌におけるこれまでの大腸内視鏡とretrospectiveに比較し,その有用性についての検討を行った.【方法】1,2010年8月~2011年12月10204例の全大腸内視鏡検査のうち135例でPCF-PQ260L/Iを使用しているが,そのうち前回CF-H260AZI使用している症例27例のそれぞれの挿入時間と挿入率を検討してみた.2,2005年1月から2012年4月までの間,全周性病変である119例に対してCF-H260AZI ,PCF-Q240Z,PCF-PQ260L/Iそれぞれにおける挿入率を検討してみた.【結果】1,挿入時間PCF-PQ260L/I 8.87±4.25分  CF-H260AZI 17.74±14.85分  挿入率PCF-PQ260L/I 96.3%(26/27) CF-H260AZI 92.6%(25/27)であった. 2,内訳 AZI 77例 ,PCF 22例,PQ 20例 通過可(cecum病変を除く) AZI 13例 ,PCF 3例,PQ15例  局在 cecum 6例 A/C9例 T/C17例 D/C 7例 S/C48例 R32例ファイバー変更(AZI→PCF 3例うち通過2例 AZI→PQ 10例 うち通過7例)であった.【結論】挿入困難例でPCF-PQ260L/Iを使用することで盲腸への挿入時間の短縮,および患者の苦痛の軽減が期待できる.全周性病変(狭窄)を示す進行癌でPCF-PQ260L/I が狭窄部を通過できる割合は他のファイバーと比較して極めて高く,全大腸内視鏡検査が可能となる.また,他のファイバーで観察不可能であった狭窄部より口側の病変に対しても発見が可能となり,またそのまま治療も可能となる.今後さらなる症例の蓄積による検討が必要であるが挿入困難例,全周性の進行癌に対しての応用が期待される.
索引用語 全周性進行癌, PQ