セッション情報 ワークショップ25(消化器内視鏡学会)

プロポフォールを活用する

タイトル 内W25-2:

プロポフォールを用いた外来内視鏡検査の安全性・有用性と患者満足度の検討

演者 梅原 康湖(近畿大堺病院・消化器内科)
共同演者 辻 直子(近畿大堺病院・消化器内科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科)
抄録 【目的】当院外来内視鏡検査でのプロポフォール(Pro)使用件数は上部で約14000件,下部で約3000件である.Proの安全性と問題点及び患者満足度を検討する.【方法】1.上部消化管内視鏡検査で鎮静なし(Aw)群86例,Pro群67例,2.下部消化管内視鏡検査でAw群184例,Pro群241例,ミタゾラム(M)+ペンタゾシン(Pe)群236例について血圧・酸素飽和度の変動,覚醒や回復時間,患者満足度,帰宅後の問題点を比較検討した.【成績】1: Pro導入量は平均0.86mg/kg,総投与量は1.08mg/ kgであった.血圧はAw群で上昇(Aw16.4%Pro2.3%)Pro群で低下を有意に認めた(Aw2.9%Pro 61.6%)(P<0.01).血圧低下は検査終了時には90%が回復し15分後には全例回復した.酸素飽和度はPro群で有意に低下した(Aw0%Pro13%)(P<0.01).酸素投与を必要としたが検査終了時には全例中止可能であった.回復時間は平均15分で96%の患者が楽と回答し帰宅後の問題点も少なかった.2:Pro導入量は平均0.93mg/kg,総投与量は1.42mg/kg,MPe導入量は平均M3.05mg Pe 14.96mg総投与量は平均M3.86mg Pe 15.03mgであった.血圧はPro群で低下を有意に認めた(Aw10.3%Pro 42.3%MPe 30%)(P<0.01)が検査終了時には94%が回復し15分後には全例回復した.酸素飽和度はMPe群で有意に低下した(Aw0% Pro 20%MPe 40%)(P<0.01).酸素投与を必要としたがPro群では検査終了時で全例中止可能であったが,MPe群では安静時間にも酸素必要症例を2%認めた.回復時間はMPe群で有意に長かった(Pro平均22分MPe平均127分)(P<0.01).検査が楽と回答したのはMPe群で有意に多かった(Aw62%Pro81%MPe95%)が,帰宅後の問題点もMPe群で有意に多かった(Aw14%Pro10%MPe 21%)(P<0.01).Pro,MPe両方使用経験者での満足度はPro群で高かった(Pro53.8%MPe13.8%同等32.4%).【結論】Proは検査中及び帰宅後も安全性が高く,回復時間も短く,患者満足度が高いことより外来鎮静に適すると考えられた.
索引用語 プロポフォール, 麻酔下内視鏡検査