セッション情報 ワークショップ25(消化器内視鏡学会)

プロポフォールを活用する

タイトル 内W25-6:

EUSにおけるミタゾラムとプロポフォールによる鎮静に対するBISモニター(Bispectral index monitoring)の有用性の検討

演者 宮田 剛(近畿大)
共同演者 北野 雅之(近畿大), 工藤 正俊(近畿大)
抄録 【背景】プロポフォールは半減期が短く,鎮静深度の維持に優れかつ覚醒も良好である.EUSには長時間の安定した鎮静が望ましく,プロポフォールの使用は有用であると考える.しかしながら,現在のところ本邦では内視鏡診療においては一般化されていない.【目的】これまで我々はEUS鎮静導入時にミタゾラムとプロポフォールを併用し,バイタルサインをモニタリングしながらプロポフォールを追加投与する方法で鎮静を行ってきた.今回,被検者の脳波から鎮静の程度を客観的に評価出来るBISモニターを使用し,その有用性と安全性を検討した.【対象と方法】2013年1月から2013年3月に当科にてEUSを施行した236症例を対象とし,BISモニターを使用して鎮静を行った118症例(BIS群)と,従来通り鎮静を行った118症例(非BIS群)との間で比較を行った.各群の1.平均プロポフォール投与量,2.呼吸循環抑制(SpO2:90%未満への低下,収縮期血圧:90mmHg未満への低下,脈拍:50回/分未満への低下)の発現例数,3.苦痛に伴う体動出現の発現例数を検討した.両群ともに鎮静導入時にはミタゾラム(2-4mg),プロポフォール(20-60mg)を併用し,BIS群ではBIS値50-60を目安にプロポフォールを追加投与し,非BIS群ではバイタルサインを目安にプロポフォールを追加投与した.【結果】1.平均プロポフォール投与量は,BIS群/非BIS群で各々174mg/160mgであった(p=0.10).2.SpO2低下は11例/22例(p=0.03),血圧低下は18例/17例(p=0.85),脈拍低下は3例/5例であった(p=0.47).3.体動出現の発現数は51例/41例であった(p=0.18).尚,両群ともに覚醒遅延などの有害事象は認めなかった.【結語】EUS鎮静時にBISモニターを使用することにより呼吸抑制の出現頻度は有意に減少し,より安全な鎮静を行うことが出来ると期待される.
索引用語 BIS, プロポフォール