セッション情報 ワークショップ25(消化器内視鏡学会)

プロポフォールを活用する

タイトル 内W25-7:

経口的バルーン内視鏡検査時におけるBISモニタ-とTCIポンプを用いたプロポフォールによる鎮静法の有用性

演者 川野 誠司(岡山大病院・光学医療診療部)
共同演者 岡田 裕之(岡山大病院・光学医療診療部), 山本 和秀(岡山大病院・消化器内科)
抄録 【背景と目的】 我々はこれまでに上部消化管ESDにおいてBISモニターとTCIポンプによりプロポフォール投与量を調整する鎮静法の有用性について報告してきた.一方でバルーン内視鏡(BAE)特に経口的挿入法は苦痛の強い検査法であり,ESD同様に十分な鎮静が必須となる.そこで我々はBAE経口挿入時にBISモニターとTCIポンプを用いてプロポフォールによる鎮静を行い,その安全性と有効性について検討したので報告する.【対象と方法】:2011年11月以降当院にてBISモニターとTCIポンプを用いてプロポフォールによる鎮静を行い経口的BAEを施行した23例(男15例,女8例,平均年齢54.8歳).プロポフォールは2.0μg/mlにて開始.体動時は2mlフラッシュの後0.2μg/ml増量とし,3回以上フラッシュを必要とする場合にはペンタゾシン7.5mgを経静脈投与とした.検査開始時より酸素を経鼻で2l/min投与とし,送気はCO2にて行った.検査終了2時間後に術者が鎮静に対する満足度を5段階にて評価し,患者には問診にて満足度を5段階で聴取した.【結果】検査時間は平均65.6分,プロポフォール総投与量は平均で458.2mlであった.ペンタゾシン使用は8例のおいて認め,使用後にプロポフォールの再フラッシュを必要とした症例は1例のみであった.偶発症は血圧低下(<80mmHg)を2例,SpO2低下(<90%)を1例に認めたがすべて投与量を減量することで対応が可能であった.ペンタゾシン投与群では術者の満足度が有意に低下していたが,(p=0.02)患者側の満足度は22/23で最高得点5点と十分な満足度が得られていた.ペンタゾシン投与に関わる因子を検討したところ,年齢(60歳未満)と検査時間(70分以上)が有意な因子であった.(p<0.05)【結論】BAE経口的挿入においてBISモニタ-とTCIポンプを用いたプロポフォールによる鎮静法は安全かつ,患者の満足度の高い有効な鎮静法である.一方で若年者や検査時間が長くなる症例ではペンタゾシンなど鎮痛剤の併用が望ましい.
索引用語 プロポフォール, バルーン内視鏡