セッション情報 |
ワークショップ25(消化器内視鏡学会)
プロポフォールを活用する
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タイトル |
内W25-13:ERCPにおけるpropofol sedationの安全性に関する検討
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演者 |
南 智之(広島大大学院・消化器・代謝内科学) |
共同演者 |
佐々木 民人(広島大大学院・消化器・代謝内科学), 茶山 一彰(広島大大学院・消化器・代謝内科学) |
抄録 |
目的と方法:麻酔科医の協力のもと,ERCP時にpropofolによる鎮静を行い,その安全性・有効性についてmidazolamを対照薬とし前向きに比較・検討した.対象は2012年9月以降にERCPを行い鎮静薬としてpropofol(P群)あるいはmidazolam(M群)を使用し,患者苦痛度が評価できた76例で,安全性については検査完遂率,収縮期血圧の変化,脈拍数およびSpO2の低下を指標とし,有効性については患者苦痛度(NRS使用),鎮静許容率,BISを指標とした.Propofolは導入に 0.5mg/kgを静注し2.0mg/kg/hで持続静注した.Midazolamは導入に0.06mg/kgを静注し必要に応じて追加投与した.propofolおよびmidazolamの投与量は適宜増減した.鎮痛薬としてpentazocinを適宜併用した.結果:P群は13例,男10/女3,平均年齢61.4歳,平均検査時間40.7分,M群は63例,男42/女21,平均年齢64.3歳,平均検査時間35.6分であった.P群およびM群の全例でERCPは完遂可能であった.収縮期血圧の低下(平均)[mmHg]は,P群で28.5,M群で17.8であったが,90mmHg未満に低下した例はなかった.脈拍数の低下(平均)[回/分]はP群で1.7,M群で2.5であったが,いずれも高度低下例はなかった.SpO2の低下(平均)[%]はP群で2.1 ,M群で2.9で有意差はなかった.SpO2が90%未満に低下した症例はP群23.1%(3/13),M群14.3%(9/63)で有意差はなく,酸素投与以外の対応を要した例はなかった.苦痛度はNRS(平均)でP群1.61,M群2.95で有意差はなかったが,NRSで 4以上の苦痛度を示した例はP群7.7%(1/13),M群46.0%(29/63)でありM群で有意に多かった(p=0.012).鎮静許容率はP群84.6%(11/13),M群77.8%(49/63)とP群では8割を超えていたが両群間に有意差はなかった.BISの最小値(平均)はP群65.0,M群72.8とP群でより低値であったが有意差はなかった(p=0.054).結語:ERCPにおけるpropofolによるsedationでは呼吸抑制・循環抑制がみられたが重篤なものはなく,midazolamと同様に安全にERCPが完遂可能であった. |
索引用語 |
ERCP, propofol |