セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(基礎) |
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タイトル | 消P-2:新規ハイドロダイナミック遺伝子導入システムの確立と有用性の検証 |
演者 | 横尾 健(新潟大大学院・消化器内科学) |
共同演者 | 上村 顕也(新潟大大学院・消化器内科学), 須田 剛士(新潟大大学院・消化器内科学), 兼藤 努(新潟大大学院・消化器内科学), 尾田 雅文(新潟大産学地域連携推進機構), 田村 康(新潟大大学院・消化器内科学), 高村 昌昭(新潟大大学院・消化器内科学), 五十嵐 正人(新潟大大学院・消化器内科学), 川合 弘一(新潟大大学院・消化器内科学), 山際 訓(新潟大大学院・消化器内科学), 野本 実(新潟大大学院・消化器内科学), D. Liu(Department of Pharmaceutical and Biochemical Sciences, College of Pharmacy, University of Georgia), 青柳 豊(新潟大大学院・消化器内科学) |
抄録 | 【目的】ハイドロダイナミック遺伝子導入法(HGD)は脈管を介し,注入圧により肝細胞に遺伝子を効率的に導入する方法であり,臨床応用へ向けた研究が精力的に進められてきた.我々はブタ,イヌ,サルの肝臓を対象臓器として,大動物でもHGDにより安全,効率的に遺伝子導入が可能なことを報告した.一方で,これらの研究から遺伝子導入効率は,注入時の時間―対象領域内圧曲線に密接に関連していることが証明された.そこで,我々はHGD時の対象領域の内圧変化に応じて,遺伝子注入の速度をコンピュータ制御し,同じ時間―内圧曲線を各対象において高い精度で再現する電気モーター式遺伝子注入システム開発した.本研究では,その制御性,遺伝子導入効率を検証することを目的とする.【方法】耐圧容器及びラットを対象動物として,本遺伝子導入システムによる種々の時間―内圧曲線に関する制御能を検証する.ルシフェラーゼ発現プラスミドをラット肝臓を対象臓器として導入し,ルシフェラーゼ活性測定ならびに免疫組織学的解析によって遺伝子導入効率及びその再現性を評価する.最適な遺伝子導入条件,すなわち時間―内圧曲線に基づき,ヒト凝固第IX因子発現プラスミドを導入し,その長期遺伝子発現効果について検証する.【成績】本遺伝子導入システムは時間―内圧曲線を厳密に制御し,効率的な遺伝子導入効果を認め,遺伝子発現の個体間較差は有意に減少し,高い再現性が示された.至適条件で,ヒト凝固第IX因子発現プラスミドを導入したラットでは,60日以上にわたり血友病に対する治療域の遺伝子発現が確認され,長期遺伝子発現効果が示された.【結論】本研究により,術者や対象領域の特性に左右されない,HGDによる遺伝子治療効果の再現性が示唆された.本方法論の前臨床試験として,大動物への応用を目指したシステムの構築と遺伝子導入効果,安全性を検証中である. |
索引用語 | ハイドロダイナミック遺伝子導入法, 遺伝子治療 |