セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(基礎) |
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タイトル | 消P-3:ICGクリアランスメーターによる肝切除術式決定の妥当性 |
演者 | 宮田 陽一(都立墨東病院・外科) |
共同演者 | 脊山 泰治(都立墨東病院・外科), 米永 晃子(都立墨東病院・外科), 松田 真輝(都立墨東病院・外科), 古本 洋平(都立墨東病院・外科DELIMITER都立墨東病院・消化器内科), 村山 厳一(都立墨東病院・消化器内科), 浅野 徹(都立墨東病院・消化器内科), 忠願寺 義通(都立墨東病院・消化器内科), 真栄城 剛(都立墨東病院・外科), 宮本 幸雄(都立墨東病院・外科), 梅北 信孝(都立墨東病院・外科) |
抄録 | 【目的】ICG15分停滞率(ICG R15)による術前肝機能評価は,手術適応および術式の決定に重要な指標であり必要不可欠な検査である.従来の採血法は正確性のために3点採血を必要とし,検査者,患者にとって負担の大きい検査であり,採血タイミングのずれなどヒューマンエラーも少なくなかった.ICGクリアランスメーターは採血することなく肝機能を評価することができる低侵襲な方法であり注目されている.今回我々は,ICGクリアランスメーターによる肝機能評価と肝切除術における安全性について検討した.【方法】肝切除術前の患者に対して,ICGを投与した後,従来の3点採血法とICGクリアランスメーターでのICG R15を測定し,術式の選択と肝切除術成績を検証しその安全性を検討した.【成績】23例の肝切除予定患者に対して本試験を施行した.疾患は原発性肝癌15例,転移性肝癌6例,その他の症例が2例であった.うち1例はICG不耐症であり解析から除外した.22例のうち16例で肝切除を施行した.クリアランスメーター法と,採血法でのICG R15の相関係数はr*2=0.904であった.これらの差の平均値は全体で3.2%(0.3%-13.8%),切除例のみでは2.4%(0.3%-6.2%)と,二つの測定系でほとんど差を認めなかったが,肝機能不良例では差が大きくなる傾向が見られた.術式は,葉切除以上6例,区域切除4例,亜区域切除以下6例であり,クリアランスメーター法,採血法のいずれも幕内基準による術式選択で差はなかった.許容肝切除容量は16例中13例(81.3%)で一致しており,残りの3例に関してもICGR15で10%を前後する程度の差であり,臨床上の問題とはならなかった.切除全症例で術後肝不全はなく,ICGクリアランスメーターの臨床的問題は指摘できなかった.【結論】ICGクリアランスメーターによるICG R15測定結果は,従来の3点採血法によるものとよく相関しており,肝切除の術式決定に利用可能と考えられた. |
索引用語 | 肝切除, ICGクリアランスメーター |