セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(B型肝炎) |
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タイトル | 消P-15:B型慢性肝疾患に対するラミブジンからエンテカビルへの切り替え症例の長期成績の検討 |
演者 | 西島 規浩(大阪赤十字病院・消化器内科) |
共同演者 | 大原 芳章(大阪赤十字病院・消化器内科), 井口 恵里子(大阪赤十字病院・消化器内科), 竹田 治彦(大阪赤十字病院・消化器内科), 中島 潤(大阪赤十字病院・消化器内科), 松田 史博(大阪赤十字病院・消化器内科), 金坂 卓(大阪赤十字病院・消化器内科), 邉見 慎一郎(大阪赤十字病院・消化器内科), 坂本 梓(大阪赤十字病院・消化器内科), 斎藤 澄夫(大阪赤十字病院・消化器内科), 那須 章洋(大阪赤十字病院・消化器内科), 西川 浩樹(大阪赤十字病院・消化器内科), 米門 秀行(大阪赤十字病院・消化器内科), 関川 昭(大阪赤十字病院・消化器内科), 津村 剛彦(大阪赤十字病院・消化器内科), 喜多 竜一(大阪赤十字病院・消化器内科), 圓尾 隆典(大阪赤十字病院・消化器内科), 岡部 純弘(大阪赤十字病院・消化器内科), 木村 達(大阪赤十字病院・消化器内科), 大崎 往夫(大阪赤十字病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】核酸アナログナイーブのB型慢性肝疾患に対する核酸アナログ療法は,エンテカビル投与が第一選択となり,良好な抗ウイルス効果が得られている.一方で,過去にラミブジンにより治療導入され,エンテカビルに切り替えた症例も長期経過を迎えている.ラミブジンとエンテカビルは薬剤耐性変異プロファイルが共通しているため,その長期成績は懸念される.今回我々は,ラミブジンからエンテカビルへの切り替え例の長期成績を検討した.【方法】当院において,B型慢性肝疾患に対して,ラミブジン投与からエンテカビル投与への切り替えを行った52症例のうち,4年以上の長期経過を観察しえた33症例を対象とした.治療前後におけるHBV-DNA値の推移,およびに炎症の程度・肝予備能の推移について検討した.【成績】ラミブジンの投与期間は平均2.6年であった.エンテカビル切り替え後のHBV-DNA陰性化率は,1/2/3/4/5年:94%(31/33)/91%(30/33)/91%(30/33)/91%(30/33)/86%(25/29)であり,4例(13.8%)において長期経過後のHBV-DNA値陽性を認めた.4例のうち,3例はbreakthrough hepatitisは呈しておらずエンテカビル投与のまま経過観察中,1例はbreak through hepatitisを呈したためアデフォビルを追加した.また,投与前後において,AST値(p<0.01)およびAFP値(p<0.01)は有意に低下し,炎症の改善を認めた.アルブミン値(p<0.01),血小板数(p<0.01)およびPT活性(p<0.01)は有意に増加し,肝予備能の改善を認めた.【結論】ラミブジンからエンテカビルへ切り替えた症例は,長期経過として良好な炎症・肝予備能の改善が得られた.しかし,長期経過後にHBV-DNA陽性を示す症例が13.8%と決して低率ではなく,さらなる経過において耐性化症例の出現に留意する必要がある. |
索引用語 | B型慢性肝疾患, エンテカビル |