セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓(C型肝炎1) |
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タイトル | 消P-16:グルタミン摂取は,C型慢性肝炎に対する抗ウイルス治療の効果を増強する |
演者 | 春名 能通(大阪府立急性期・総合医療センター) |
共同演者 | 阿部 友太朗(大阪府立急性期・総合医療センター), 井上 貴功(大阪府立急性期・総合医療センター), 大西 幸作(大阪府立急性期・総合医療センター), 岩谷 修子(大阪府立急性期・総合医療センター), 田畑 優貴(大阪府立急性期・総合医療センター), 野崎 泰俊(大阪府立急性期・総合医療センター), 井上 浩一(大阪府立急性期・総合医療センター), 澁川 成弘(大阪府立急性期・総合医療センター), 石井 修二(大阪府立急性期・総合医療センター), 西山 範(大阪府立急性期・総合医療センター), 葛下 典由(大阪府立急性期・総合医療センター), 井上 敦雄(大阪府立急性期・総合医療センター) |
抄録 | 【目的】グルタミンは,免疫システムを賦活化する“免疫アミノ酸”として知られている.今回,われわれは,C型慢性肝炎に対する抗ウイルス治療中にグルタミン製剤を服用することにより,抗ウイルス効果の改善ができるか否かを検討した.【方法】セロタイプ1型高ウイルス量(>5.0LogIU/mL)のC型慢性肝炎患者69例を対象に検討を行った.21例は,ペグインタ-フェロン+リバビリン治療の開始から終了後24週の間,グルタミン3.0g(マーズレンSR)の連日経口投与を行った.48例は,通常のペグインタ-フェロン+リバビリン治療のコントロール群とした.両群ともに,日本肝臓学会のガイドラインにもとづいた”response-guided therapy”(48週または72週)が施行された.宿主の自然免疫状態の指標と考えられるNK細胞活性は,51Cr遊離細胞障害性試験により測定された.両群間においてIL28B SNPも含め,患者背景に差異を認めなかった.【成績】グルタミン摂取群では21例中15例(71.4%)で完全著効(SVR)が,得られたが,非摂取群では48例中21例(43.8%)でSVRが得られたにとどまり,グルタミン摂取群が,有意(p=0.034)に良好な治療成績を示した.更に解析を進めると,治療効果の改善は,治療前NK細胞活性が低値を示す症例に顕著に見られた.すなわち,治療前NK細胞活性が28%未満の症例のSVR率は,グルタミン投与群で80%であったのに対し,非投与群では,40%と有意(p=0.032)な違いが,認められた.グルタミン投与群と非投与群の間で有害事象発生の差異は見られなかった.グルタミン投与群において,治療期間中の血中アンモニア値やBUNの上昇は,見られなかった.【結論】グルタミン摂取は,免疫システムの賦活化により,C型慢性肝炎抗ウイルス治療の成績を改善する可能性が,示唆された. |
索引用語 | グルタミン, C型慢性肝炎 |