セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎1)

タイトル 消P-19:

C型慢性肝炎に対する3剤併用療法時の間質性肺炎マーカーの検討

演者 本田 博樹(済生会新潟第二病院・消化器内科DELIMITER新潟大医歯学総合病院・消化器内科)
共同演者 石川 達(済生会新潟第二病院・消化器内科), 窪田 智之(済生会新潟第二病院・消化器内科), 木村 成宏(済生会新潟第二病院・消化器内科), 堀米 亮子(済生会新潟第二病院・消化器内科), 岩永 明人(済生会新潟第二病院・消化器内科), 関 慶一(済生会新潟第二病院・消化器内科), 本間 照(済生会新潟第二病院・消化器内科), 吉田 俊明(済生会新潟第二病院・消化器内科)
抄録 【緒言】C型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法はプロテアーゼ阻害剤の出現により非常に高い治療効果となった.しかしながら,副作用のために十分な治療が出来ない場合もある.なかでも間質性肺炎はIFN治療の際の重大な副作用の一つである.今回我々はTelaprevir 3剤併用療法を行ったC型慢性肝炎において,間質性肺炎マーカーであるKL-6,SP-Dの変動につき検討した.【対象と方法】対象はTelaprevir 3剤併用療法を施行し,経過中にKL-6,SP-Dを測定し長期経過観察したC型慢性肝炎患者31例,平均年齢63.32 ± 18.32歳,男性:女性/18:13.3剤併用療法治療前から4週間毎に24週目までのKL-6,SP-Dの変動につき検討した. 【結果】KL-6は治療開始12週で最高値となり,SP-Dは4週目で最高値となった.男女間ではKL-6で女性が男性よりも数値の上昇が著明であり,65歳以上の女性でKL-6の値が高く,また65歳未満の女性ではSP-Dの値が高くなる傾向を認めた.男性は年齢に関係なくKL-6,SP-Dの上昇は認めるものの,平均値が基準値を超えるまでには至らなかった.Telaprevir終了後のPegIFN/RBV療法ではいずれも低下した.【結語】IFN治療の際,間質性肺炎は重大な副作用の一つであるがTelaprevir3剤併用療法施行による間質性肺炎に関する報告は少ない.今回検討したKL-6,SP-Dの変動にはバラつきがあり,両マーカーのみでの予測には課題があるが,3剤併用時にはKL-6,SP-Dの上昇を認め,間質性肺炎の高リスク群と考えられた.しかし,間質性肺炎を予測する因子は解明されておらず,臨床症状,胸部X-pなどで慎重に経過を追う必要があり,IFN治療終了後も定期的にモニタリングしていくことが望ましいと考えられた.
索引用語 telaprevir, 間質性肺炎