セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎2)

タイトル 消P-22:

65歳以下1型高ウイルス量C型慢性肝炎初回治療例に対するPegIFNα2a/Ribavirin(RBV )併用療法における治療効果の検討

演者 山上 裕晃(日本大・消化器肝臓内科)
共同演者 大城 周(日本大・消化器肝臓内科), 上原 俊樹(日本大・消化器肝臓内科), 中村 仁美(日本大・消化器肝臓内科), 樋口 晃久(日本大・消化器肝臓内科), 林 順平(日本大・消化器肝臓内科), 楡井 和重(日本大・消化器肝臓内科), 山本 敏樹(日本大・消化器肝臓内科), 松村 寛(日本大・消化器肝臓内科), 小川 眞広(日本大・消化器肝臓内科), 松岡 俊一(日本大・消化器肝臓内科), 田中 直英(日本大・消化器肝臓内科), 森山 光彦(日本大・消化器肝臓内科)
抄録 【目的】65歳以下の1型高ウイルス量C型慢性肝炎初回治療例に対するPegIFNα2a/Ribavirin(RBV)併用療法の治療効果に影響を及ぼす因子を検討した.【方法】当院で2007年11月から2010年6月の間にPegIFNα2a/RBV併用療法を導入し,最終効果判定可能であった65歳以下のC型慢性肝炎初回治療例44例を対象とした.【結果】65歳以下の初回治療例に対するPegIFNα2a/RBV併用療法のSVR率は45.5%(20/44例)であり,SVRに影響する背景因子を単変量解析した結果・年齢BMI・治療前トリグリセライド(TG)値が有意な因子として抽出され,性別や線維化進展(FIB-4≧3.25)・投与前HCV RNA量・血小板数には影響されなかった.単変量解析で有意な因子として抽出された,年齢・BMI・治療前TG値について,ROC解析によりSVRを予測するためのカットオフ値を算出したところ,年齢:48.98356歳・BMI:20.93664・治療前TG値:92 mg/dL であった.さらに,年齢50歳以上/未満・BMI 21以上/未満・治療前TG値92以上/未満に分けた場合のSVR率は,それぞれ83.3%(10/12例)/31.3%(10/32例)・66.7%(16/30例)/25%(3/12例)・72.2%(13/18例)/14.3%(2/14例)であり,それらを多変量解析した結果,年齢50歳未満・治療前TG値92mg/dL以上が有意な因子として抽出された. 【結語】日本肝臓学会のC型肝炎治療ガイドラインでは,65歳以下の1型高ウイルス量症例には線維化進展の度合いに応じて3剤併用療法もしくは治療待機が推奨されているが,3剤併用療法が施行困難な例もあり,また有害事象による治療中断例や減量例における有効性については不明な点が残されているのが現状である.今回の検討では,50歳未満や治療前TG値が92mg/dL以上の症例であれば,従来のPegIFN/RBV2剤併用療法でも,性別やウイルス量・線維化進展度に影響されることなく良好な治療効果が得られる可能性が示唆された.
索引用語 C型慢性肝炎, 併用療法