セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓(C型肝炎2)

タイトル 消P-24:

C型慢性肝炎再治療例に対してtelaprevir (TVR)を用いた3剤併用療法を行った24症例の検討

演者 矢崎 友隆(島根県立中央病院・消化器科)
共同演者 高下 成明(島根県立中央病院・消化器科), 今岡 友紀(島根県立中央病院・消化器科), 藤代 浩史(島根県立中央病院・内視鏡科), 宮岡 洋一(島根県立中央病院・内視鏡科), 園山 隆之(島根県立中央病院・消化器科), 伊藤 聡子(島根県立中央病院・消化器科), 泉 大輔(島根県立中央病院・消化器科), 上野 さや香(島根県立中央病院・消化器科)
抄録 【目的】当院においてC型慢性肝炎再治療例に対してPeg-IFNα2b+Ribavirin (RBV)+telaprevir (TVR)の3剤併用療法を施行した24症例の治療成績, 及び副作用に関して検討した【対象】Peg-IFN/RBV2剤併用療法を施行し, SVRに至らなかった症例に, 3剤併用療法を導入した24例を対象とした. 男性12例, 女性12例, 平均年齢60.7歳, 平均体重60.9kg(40-84.2). 前治療再燃例:17例, 無効例:7例. 肝線維化はF1:3例, F2:8例, F3:7例, F4:4例, 不明2例.【成績】効果判定可能な症例は15例(再燃例10例, 無効例5例)で, 現在投与継続中が8例(再燃例6例, 無効例2例). 副作用で中止が1例(再燃例). 再燃例は全10例でSVRを認めた. 無効例では3例でSVRを認めたが2例で再燃を認めた. 再燃した2例は前治療で投与開始後12週経過してもHCV-RNA量2.0logIU/ml以上の低下が認められず, IL-28B(rs8099917) TG例であった. 全症例の陰性化時期は投与中の症例も含めると2週:5例(21.7%), 4週:11例(47.8%), 6週:4例(17.4%), 8週:2例(8.7%). TVRを12週投与完遂できたのは15例中14例(93.3%)で, 内8例(53.3%)でTVRの減量が必要であった. 1例で食欲低下が原因で投与中止となった. 15例中12例(80%)でRBVの減量が必要であった. 副作用の内容としては高尿酸血症10例(66.7%), 皮膚症状10例(66.7%:内1例はステロイド内服加療施行), 食欲低下10例(66.7%), 貧血13例(86.7%)であった.【結論】当院における再治療例では再燃例で100%(10/10), 無効例では60%(3/5)でSVRを認めた. 3剤併用療法でもSVRに至らない予測因子として, 前治療でHCV-RNA量2.0logIU/ml以上の低下が認められなかったこと, IL-28B TG例であることなどが示唆された. また, 何らかの副作用は必発で, 早期に減量が必要となった症例は多いが, 厳重な経過観察, 薬剤の減量, 副作用への対応を行えれば, 非常に有効な治療法となると考えられた.
索引用語 C型肝炎, telaprevir